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【東大流・次世代スター発掘】グッドピースに★4評価!阪神・芝1600mで鬼脚を披露

text by 鈴木ユウヤ

2025年9月20日新馬戦を制したグッドピース
2025年9月20日新馬戦を制したグッドピース

9月20、21日の2歳戦レビュー

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は9月20、21日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。

【評価の目安】
★7:GⅠ確定レベル
★6:GⅠレベル
★5:重賞レベル
★4:OPレベル
★3:水準レベル
★2:やや物足りない
★1:物足りない

◆ラヴノー

9月20日 新馬 中山芝1200m 1着
評価:★★★★
騎手:津村明秀
厩舎:美浦・林徹
父:モーリス
母:フィールザレース
母の父:Orpen

《短評》
好スタートから積極的に促してハナへ。そのまま淡々と運んで直線へ向くと、鞍上のゴーサインに反応して鋭く加速。後続を一気に突き放して5馬身差で圧勝した。

勝ち時計1:09.1自体もこのコースの2歳新馬としては優秀な部類だが、なにしろラスト11.2-11.0のラップが素晴らしい。中山芝1200mの2歳戦で「ラスト2F22.2秒」「ラスト1F11.0秒」はどちらも史上最速の数値だ。9月の中山開催は終いの数字がやたらと速く出る傾向があり、その点を差し引く必要はあるが、それでもなお立派な内容と評価できる。

OPレベルのポテンシャルはありそうで、重賞でもチャンスがあるかもしれない。

◆グッドピース

9月20日 新馬 阪神芝1600m 1着
評価:★★★★
騎手:西村淳也
厩舎:栗東・高野友和
父:Kingman
母:Fiducia
母の父:Medaglia d’Oro

《短評》
五分のスタートから道中は好位馬群のなかを追走。4角を出るあたりで若干手応えが渋くなったように見えたが、直線に向いてからはステッキに応えて徐々にエンジンがかかり、外から差し切って2馬身半差で勝利した。

勝ち時計1:35.1はこのコースの新馬としてはまずまず速く、さらに自身の上がり33.2秒も秀逸だった。「阪神芝1600mの2歳新馬を上がり33.2秒以下で勝った馬」は昨年までに5頭おり、メイケイペガスター、アスカビレン、クラヴァシュドール、ストーンリッジ、バースクライといずれもOPまで出世した。こちらも「OP級」の★4と評価する。

と同時に、同日行われた野路菊Sのアランカール(1:33.5、上がり33.3秒)がなおさら強烈な数字だったことも書き添えておきたい。

◆ルーチェフィオーレ

9月21日 未勝利・牝 中山芝1600m 1着
評価:★★★
騎手:横山和生
厩舎:美浦・嘉藤貴行
父:ポエティックフレア
母:ベルフィオーレ
母の父:ディープインパクト

《短評》
初戦は11番手からの競馬をしていたが、今回は内枠から好発を決めて逃げに持ち込んだ。Cコース替わりで内有利に振れた馬場でもあり、この時点で事実上ほぼ勝負ありだった。直線も脚色は衰えず、そのまま逃げ切った。

同日2勝クラスのマイル戦でも1:32.0が出た高速馬場なので鵜呑みにできない部分はあるが、勝ち時計1:33.9の数字自体はなかなかのタイム。昇級しても十分戦っていけるだろう。

【了】

(文●鈴木ユウヤ)

<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。

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