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馬券に役立つ?イチかバチか“追い込み”戦法で買える騎手(5)実は追い込みでも結果を残す“いぶし銀”

text by 中川大河

競馬の予想をする上で、重要なファクターの一つが脚質だ。中でも、レースで最も盛り上がる戦法の一つが「追い込み」だろう。大外一気や、最後方からのイン突きは競馬の醍醐味ともいえる。そんな追い込みを得意としている騎手は誰か。今回は、芝、ダートなど5つの条件に分けて、それぞれのレースで最も“買える”騎手を選んだ。今回は5つ目。

※データの抽出は、競馬データベースソフト『TARGET frontier JV』を使用。期間は2020年〜2025年9月7日で、平地レース、ターゲットの脚質分類で「後方」に分類された馬に絞った。

吉田豊騎手
吉田豊騎手

⑤吉田豊

~人気馬に騎乗時は信頼度抜群~

 豊は豊でも吉田豊騎手も追い込みの戦法を得意とする騎手の一人。吉田豊騎手といえば、古くはサイレントハンター、最近ではパンサラッサのように逃げを得意とするイメージも強いが、実は追い込み馬でもしっかり結果を残している。

 特に強いのが単勝オッズ10倍未満の人気馬に騎乗したときだ。2020年以降、吉田豊騎手が上位人気馬で後方待機策を採ったときの成績は【14-9-12-74】。勝率12.8%は、C.ルメール騎手の12.6%を上回り、複勝率32.1%は川田将雅騎手の32.6%とほぼ同じ。リーディング争いの常連2人と遜色ない数字を残している。

 回収率も単勝が75%、複勝も59%と上々だ。機会数が100回以上ある騎手33人の中で、単勝回収率は1位、複勝回収率も4位につけている。

 馬券的な狙い目は、極端な枠に入ったとき。2~7枠では単勝、複勝回収率ともに100%未満だが、1枠と8枠に入った時は、単複回収率ともに100%を超え、ベタ買いでプラス収支となっている。

 通常、人気馬に騎乗した際は、それまで追い込み戦法で結果を残してきた馬でも、思い切った後方待機策は採りづらいもの。それでも吉田豊騎手は30年以上の騎手生活で、酸いも甘いも知っており、肝が据わった騎乗をしていると推測できる。

 以上、5つのカテゴリーで追い込み得意な5人の騎手の名前を挙げたが、そのすべてが中堅からベテランと呼ばれる面々だった。やはり思い切った作戦を成功させるのには、相当の経験値が必要なのかもしれない。

【了】

(文●中川大河)

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