馬券に役立つ?イチかバチか“追い込み”戦法で買える騎手(4)後方ポツン…気がつけば上位争いする策士
競馬の予想をする上で、重要なファクターの一つが脚質だ。中でも、レースで最も盛り上がる戦法の一つが「追い込み」だろう。大外一気や、最後方からのイン突きは競馬の醍醐味ともいえる。そんな追い込みを得意としている騎手は誰か。今回は、芝、ダートなど5つの条件に分けて、それぞれのレースで最も“買える”騎手を選んだ。今回は4つ目。
※データの抽出は、競馬データベースソフト『TARGET frontier JV』を使用。期間は2020年〜2025年9月7日で、平地レース、ターゲットの脚質分類で「後方」に分類された馬に絞った。
④横山典弘
~少頭数で“お家芸”が炸裂~
武騎手の1年先輩にあたる横山典弘騎手。40年目を迎えた大ベテランのお家芸と呼ばれているのが“後方ポツン”だ。
後方ポツンとは、隊列からやや離れた最後方を1頭だけ進む位置取りのことで、上位人気馬で敗れた際は、“無気力騎乗”とファンの怒りを買うこともある。しかし、それは横山典騎手が馬のリズムやコンディションを最優先しているためと本人も過去のインタビューなどで明かしている。
多くの場合、横山典騎手は馬に負担をかけないよう、後方ポツンのまま安全運転に終始するが、時にその大胆な戦略が“炸裂”することも。特に目立つのが、8頭以下の少頭数でレースが行われたときだ。
2020年以降、横山典騎手が少頭数のレースで追い込み戦法を採った時の成績は【3-3-5-8】。複勝率は5割超えの57.9%と好成績を誇る。これはC.ルメール騎手の56.5%を上回っており、複勝回収率も72%と高い。
追い込み戦法が必ずしも後方ポツンではないが、少頭数レースで横山典騎手が差し、追い込み馬に騎乗しているときは注意が必要。特に前走から乗り替わりが発生していた際は、【1-1-2-1】、複勝率80.0%をマークしている。該当するレース数は決して多くないが覚えておいてもいいだろう。
【了】
(文●中川大河)
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