悲願達成を託したい!凱旋門賞V狙える日本馬(2)今年こそ“シン”の皇帝へ!静かに爪を研ぐ凱旋門賞馬の全弟
1969年のスピードシンボリから2024年のシンエンペラーまで、のべ35頭の日本馬が挑戦し、うちひしがれてきたのが凱旋門賞である。日本馬はこれまで2着が4度あったが、頂点を極めた馬はいまだゼロ。今年こそ悲願達成の瞬間が訪れるのか。今回は凱旋門賞で優勝が狙えそうな日本馬5頭を独断と偏見で選定し、紹介する。次は2頭目。
②シンエンペラー
~凱旋門賞馬の全弟が2度目の挑戦~
9月13日に開催されるG1愛チャンピオンS(アイルランド・レパーズタウン芝2000m)に出走予定のシンエンペラーは2度目の凱旋門賞挑戦を迎える。(※結果は6着)
昨年も同じローテを歩んだシンエンペラーは、前哨戦で僅差の3着に好走すると、続く凱旋門賞で3番人気に支持された。G1未勝利にもかかわらず、同馬が高く評価されたのは、その血統背景によるもの。前兄のソットサスが2020年の凱旋門賞勝ち馬だったからにほかならない。
ところが、レースでは中団を追走し、4コーナーを回ったときは手応えも残っているように見えたが、最後の直線で失速。12着惨敗に終わった。
陣営は明確な敗因を見いだせなかったが、帰国初戦のジャパンCは2着に好走。その後は中東を転戦し、G2ネオムターフCを制したものの、G1ドバイシーマCは7着に敗れている。
猛暑に見舞われた夏の間にしっかり英気を養ったシンエンペラー。国内最終追い切りで好時計をマークし、鞍上を務める坂井瑠星騎手も「去年の感じよりいい。予定通りに進められて順調」と手応えを口にしている。
不可解な敗戦から1年、凱旋門賞馬の全弟が、兄と同じ4歳の秋にパリロンシャンで大輪の花を咲かせることができるのか。まずは愛チャンピオンSで昨年以上の結果を残して、大一番に向かいたい。
【了】
(文●>中川大河)
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