【東大流・次世代スター発掘】8月30日、31日2歳戦レビュー(2)GⅠ馬の仔サトノアイボリーに★4
8月30、31日の2歳戦レビュー
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は8月30、31日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。
【評価の目安】
★7:GⅠ確定レベル
★6:GⅠレベル
★5:重賞レベル
★4:OPレベル
★3:水準レベル
★2:やや物足りない
★1:物足りない
◆エリプティクカーブ
8月31日 新馬 札幌芝1800m 1着
評価:★★★★
騎手:横山武史
厩舎:美浦・萩原清
父:レイデオロ
母:メジロマリアン
母の父:メジロベイリー
《短評》
スタートいまひとつで中団インからの競馬になったが、2角~向正面にかけてペースが緩むとすかさずポジションを上げた。3角手前から先頭に立ち、直線は鞍上の激しいアクションに応え、外から並んできたネッタイヤライを突き放した。
稍重馬場かつ1000m通過64.1秒のスローペースもあり、全体時計は特筆する記録ではないが、ラスト11.9-11.4の加速はなかなか目立つ。札幌芝1800mの2歳戦で「1:51.6以下」かつ「ラスト1F11.4以下」はコディーノ、オーソクレース、バスラットレオンなど11例あるが、良馬場以外なら昨年ファイアンクランツに次ぐ2例目。こちらもOP~重賞レベルでの活躍に期待をかけたい。
◆サトノアイボリー
8月31日 新馬 中京芝2000m 1着
評価:★★★★
騎手:団野大成
厩舎:栗東・杉山晴紀
父:エピファネイア
母:ホエールキャプチャ
母の父:クロフネ
《短評》
五分にスタートを切り、序盤は前2頭から少し離れた3番手追走。ベースが緩んで馬群が凝縮したときには一度外に出していたが、後半の再加速はまたイン3でやり過ごした。直線は内目でしぶとく脚を使い、カトマンズゴールドとの競り合いを半馬身差で制した。
このレースもラスト11.4-11.0の加速ラップ。くどいようだが、中京芝の2歳戦で「ラスト1F11.0秒以下」が出たレースの勝ち馬は(昨年まで)高確率でGⅠ馬となっており、本来は非常に価値が高いはずの数字だ。ただ、いかんせん今の中京芝は馬場が速すぎて、このクラスの時計やラップが安売りされている。その点と全体時計2:04.7の遅さを考慮して今回は★4に留める。
【了】
(文●鈴木ユウヤ)
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