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“爆買い”炸裂!藤田晋氏セレクトセール1歳部門(3)早くも二刀流候補? 希望あふれる未来予想図

text by 小早川涼風

サイバーエージェント社長として知られ、馬主としても破竹の勢いで成果を上げる藤田晋オーナー。その一方で、毎年セレクトセールでは上場馬を“爆買い”する積極的な投資姿勢でも注目を集めている。本記事では、藤田オーナーが2025年に落札した馬を部門別に紹介。今回は「1歳部門」から5頭を取り上げる。今回は3頭目。
※落札額は税抜の価格

セルフレスリーの2024
セルフレスリーの2024

③セルフレスリーの2024

 セルフレスリーの2024は1億9000万円で落札された。ここまで紹介した3頭の購入金額の合計は7億7000万円。この時点で藤田氏は2025年のサウジカップで獲得し、馬主に充てられた賞金のうち7割以上を1歳馬部門で使ったことになる。

 父のFlightlineは6戦6勝。競走生涯で後続につけた合計着差は71馬身を記録し、レースでは1度も鞭を打たれずに勝ち切るという、アメリカ競馬史に残る伝説を残した馬である。そして母のセルフレスリーの父More Than Readyは、日本でもすでにブルードメアサイアーとしてカフェファラオやドゥレッツァといったG1ホースを輩出している。

 つまり、セルフレスリーの2024は日本でも母の父として実績を残している馬と、話題性抜群の種牡馬を掛け合わせた評判馬。そんな馬をしっかり落札するのだから、やはり藤田氏は“持っている”のだろう。

 血統構成は上に述べた通りではあるが、父の父はTapit。彼は日本でもフェブラリーステークスを勝利したテスタマッタを父として輩出し、母の父としてはグランアレグリアに血を繋げている。血統的に速力は保証されていると言っても良さそうだが、これに幅広い距離で活躍馬を輩出しているMore Than Readyの血がどう働くかが焦点となりそうだ。

 もしドゥレッツァのようなスタミナタイプの方に作用すれば、菊花賞や天皇賞・春といった長距離レースを類稀なるスピードで後続を寄せ付けず、逃げ切るような展開を見られるかもしれない。

【了】

(文●小早川涼風)

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