もはや億超え当たり前…セレクトセール当歳部門の注目馬(3)父の無念を晴らす時が!悲願のダービー制覇へ…
7月14〜15日にかけて行われたセレクトセール。今年も大盛況のうちに幕を閉じ、2日間の総売上は過去最高の327億円を記録した。この中から、未来のスターが数多く誕生するだろう。そこでセレクトセールの結果を受けて、注目馬を1歳部門と当歳部門に分けて5頭ずつ選出。この記事では、当歳部門の注目馬5頭を紹介する。今回は3頭目。
③サンカルパⅡの2025(父スワーヴリチャード)
落札価格 3億1900万円(税込)
落札者 (株)NICKS
続いて紹介するのは、81番で登場した、サンカルパⅡの2025(父スワーヴリチャード)。価格はどんどん上がっていき、最終的に3億1900万円(税込)で、スワーヴの冠名でお馴染みの(株)NICKSが落札。この日、リッスンの2025(父スワーヴリチャード)に続いて2頭目の取引となったNICKSは、2頭ともに自身が所有していたスワーヴリチャード産駒の落札となった。
そのスワーヴリチャードは、現役時代に大阪杯とジャパンCを勝利し、G1・2勝。種牡馬入り当初は種付け料は200万円と、種牡馬として大きな期待をされていたわけではなかったが、2023年に初年度産駒がデビューすると産駒が大活躍。
新種牡馬リーディングを獲得し、種付け料も一気に1500万円へとジャンプアップ。今年デビューした2歳馬の中にも、東京の新馬戦を快勝したディバインウインドがいるなど、今最も勢いがあるといっても過言ではない種牡馬である。
母サンカルパⅡは、アルゼンチンのG1馬。その勝利したG1はダート2000mということで、適性については未知な部分はあるが、芝2200mのG2も制しているということで、馬場適性はオールマイティーなタイプ。
父と同じくスラっとした栗毛の馬体は、芝の中長距離路線での活躍を予感させるものであった。母のパワフルさを受け継いでいれば、ダート路線も十分に考えられるが、現時点で目指すのはもちろん牡馬クラシック戦線。
父スワーヴリチャードがダービー2着で惜しくも果たせなかったクラシック制覇を、スワーヴリチャード産駒であるサンカルパⅡの2025とNICKSのタッグが制す。そんな3年後の未来を期待したくなるような、見栄えのする好馬体の持ち主であった。
【了】
(文●中西友馬)
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