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衝撃の価格連発…!セレクトセール1歳部門の注目馬(5)香港で悲運の最期を遂げた半姉の想いを背負って…

text by 中西友馬

7月14〜15日にかけて行われたセレクトセール。今年も大盛況のうちに幕を閉じ、2日間の総売上は過去最高となる327億円を記録した。この中から、未来のスターが数多く誕生するだろう。そこで今回は、セレクトセールの結果を受けて、注目馬を1歳部門と当歳部門に分けて5頭ずつ選出。まずは、1歳部門の注目馬を紹介する。今回は5頭目。

2025セレクトセール(1歳部門)の注目馬

ヤンキーローズの2024ⓒJapan Racing Horse Association
ヤンキーローズの2024ⓒJapan Racing Horse Association

⑤ヤンキーローズの2024(牡・父サートゥルナーリア)

落札価格:3億4100万円(税込)
落札者:ダノックス

 最後に紹介するのは、90番目に登場した、ヤンキーローズの2024(父サートゥルナーリア)。3冠牝馬リバティアイランドの半弟ということでセール前から注目を集めていた同馬は、最終的に3億4100万円(税込)で、ダノンデサイルなどを所有していることでお馴染みのダノックスが落札。

 その昨年のダービー馬ダノンデサイルもセレクトセール出身で、3年前の1歳馬部門1億4850万円(税込)で取引されている。

 父は、ホープフルSと皐月賞という、中山のG1を2勝しているサートゥルナーリア。昨年から産駒がデビューしており、昨年の新種牡馬リーディングでは、ナダルやアドマイヤマーズを抑えて見事リーディングに輝いている。今年に入ってからも勢いは続き、毎日杯を制したファンダムや京都新聞杯を制したショウヘイは、ダービーにまで駒を進めた。

 母のヤンキーローズは、豪州のG1・2勝馬。芝1400mと芝2000mでG1を勝利しており、芝の短距離でも速さ負けしないスピードを持ち合わせているタイプである。

 そして前述したように、半姉は香港で悲運の最期を遂げた、牝馬3冠馬リバティアイランド(父ドゥラメンテ)。リバティアイランドもまた、母の豊かなスピードをしっかりと受け継いでおり、世代限定戦のみとはいえ、芝1600mでは4戦4勝。

 ヤンキーローズの2024は、父がドゥラメンテからサートゥルナーリアへと変わり、よりスピード>スタミナへとシフトした印象。もちろんクラシック3冠を目指していくことになるとは思うが、本質的には芝マイル〜中距離あたりに適性がありそう。

 いずれにせよ、志半ばで天国へと旅立った半姉リバティアイランドの分まで、ヤンキーローズの2024には活躍を果たしてもらいたいものである。

【了】

(文●中西友馬)

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