HOME » セレクト » あまりに強すぎ…日本馬を蹴散らした香港の伝説的名馬(4)列島が震撼…日本最強馬を蹂躙する現役最強の鹿毛馬

あまりに強すぎ…日本馬を蹴散らした香港の伝説的名馬(4)列島が震撼…日本最強馬を蹂躙する現役最強の鹿毛馬

text by 中西友馬

近年、国内トップホースたちの年末の選択肢として定着しつつある香港国際競走。1993年の香港マイルにホクセイシプレー(14着)が挑戦して以降、数多くの日本馬が香港へ遠征している。こうした日本と縁の深い香港競馬の歴史の中で、今回は時代を象徴する「香港最強馬」に注目。歴史的名馬と称される5頭を厳選して紹介する。今回は4頭目。

2024年安田記念を制したロマンチックウォリアー
2024年安田記念を制したロマンチックウォリアー

④浪漫勇士(ロマンチックウォリアー)

生年月日:2018年3月18日
毛色:鹿毛
父:Acclamation
調教師:C.シャム
産地:アイルランド
通算成績:25戦18勝[18-5-0-2](2025年6月25日現在)
主な勝ち鞍:2022-2024香港カップ、2024安田記念

 ここまでは既に引退した名馬たちを取り上げてきたが、残り2頭は現時点では現役の馬たち。ロマンチックウォリアーは、日本の競馬ファンなら誰もが知っているといっても過言ではない馬。デビューは2021年10月で、ゴールデンシックスティが連勝を伸ばしている真っ只中。デビューは芝1200mだったが、徐々に距離を延ばしてマイルまでは5連勝を果たす。

 続く芝1800mの香港クラシックCでカルフォルニアスパングルの4着に敗れるも、香港ダービーではそのライバル相手にやり返してダービー馬に輝いた。その後も順調に連勝を伸ばして迎えた香港C。香港馬代表として、日本馬5頭を迎え撃つ形となったロマンチックウォリアーは地元の牙城を守り、4馬身半差の圧勝。

 この時初めてロマンチックウォリアーの存在を認識した日本の競馬ファンも多いはずである。その後、国内ではゴールデンシックスティに連敗を喫するも、QE2世Cでは日本馬3頭を寄せつけない強さで勝利。この頃は日本馬キラーである一方、国内では取りこぼすレースもあるという印象であったが、6歳秋に豪州遠征をしたコックスプレートから破竹の8連勝。

 その中には、日本遠征で勝利した安田記念や、3連覇を果たした香港Cなど国内外のG1が7つ含まれており、それまで延べ32頭の日本馬がこの馬に挑戦しながら、全て返り討ちにあっている状況であった。そんな状況で、あの伝説のサウジCが行われることとなる。芝香港最強馬ロマンチックウォリアーvsダート日本最強馬フォーエバーヤング。フォーエバーヤングの主戦場であるダートにロマンチックウォリアーが乗り込む形となったが、これまで日本馬に先着されたことのないロマンチックウォリアーの走りにも注目が集まっていた。

 結果はご存知の通り、後続を10馬身以上引き離した一騎打ちの末、フォーエバーヤングがクビ差で勝利した。しかし、ダートでも世界トップクラスの走りを見せたロマンチックウォリアーのポテンシャルの高さに、改めて驚かされる結果となった。その激走の疲れもあったのか、続くドバイターフでは日本のソウルラッシュに僅差で敗れての2着。今は秋冬に備えて充電中とのことで、地元で行われる4連覇を目指す香港Cでは、再び日本馬に立ちはだかる大きな壁となりそうだ。

【了】

(文●中西友馬

【関連記事】
あまりに強すぎ…日本馬を蹴散らした香港の伝説的名馬(1)
あまりに強すぎ…日本馬を蹴散らした香港の伝説的名馬(5)
あまりに強すぎ…日本馬を蹴散らした香港の伝説的名馬(全紹介)