あまりに強すぎ…日本馬を蹴散らした香港の伝説的名馬(3)いつまで勝ち続ける…驚異の記録を残した世界最強馬
近年、国内トップホースたちの年末の選択肢として定着しつつある香港国際競走。1993年の香港マイルにホクセイシプレー(14着)が挑戦して以降、数多くの日本馬が香港へ遠征している。こうした日本と縁の深い香港競馬の歴史の中で、今回は時代を象徴する「香港最強馬」に注目。歴史的名馬と称される5頭を厳選して紹介する。今回は3頭目。
③金鎗六十(ゴールデンシックスティ)
生年月日:2015年10月14日
毛色:青鹿毛
父:Medaglia D’oro
調教師:K.ルイ
産地:オーストラリア
通算成績:31戦26勝[26-2-1-2]
主な勝ち鞍:2020,2021,2023香港マイル、2021-2023香港チャンピオンズマイル
3頭目に取り上げるのは、そのビューティージェネレーションから香港最強馬のバトンを引き継いだ形となった、ゴールデンシックスティ。ビューティージェネレーションの最盛期、連勝を続けている最中となる2019年3月にデビューしたゴールデンシックスティは、芝1200mでデビューから3連勝。
初の芝1400mとなった4戦目で10着と大敗したため、スプリント色の強い馬なのかと思われた。しかし、そこから徐々に距離を延ばしながら連勝街道を突き進んで香港ダービーを制覇、香港4歳三冠を達成した。その後もマイル〜中距離を中心に連勝を伸ばし、先述した香港マイルでは、ビューティージェネレーションや前年覇者アドマイヤマーズを相手に快勝。G1初制覇を飾った。
さらに翌年の香港マイルでは、日本馬4頭の挑戦も跳ね返し、連覇を達成。デビュー5戦目からの連勝を16まで伸ばした。続く香港スチュワーズCでワイククに敗れて連勝はストップしたが、その後も勝利を重ね、G1タイトルを増やし続ける。3連覇を目指した香港マイルでは、カルフォルニアスパングルにクビ差惜敗して3連覇達成はならなかったが、その翌年も再び香港マイルに出走。ソウルラッシュなど日本馬5頭の挑戦を退けて勝利。香港マイル3勝目を挙げた。
引退レースとなったチャンピオンズマイルでは4着に敗れ、チャンピオンズマイル4連覇は達成できなかったが、前出2頭と違って8歳でもほとんど衰えを見せないまま現役引退となった。通算31戦26勝、G1・10勝、重賞17勝は全てビューティージェネレーション超え。賞金総額の1億6717万600香港ドルは、豪州のウィンクスの記録を抜いて、当時世界最高の獲得賞金となった。現役引退後は日本に輸送され、繋養先となるノーザンホースパークへと到着。世界一にまで上り詰めた香港の名馬の姿を、今後は日本で見ることができそうである。
【了】
(文●中西友馬)
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