人気スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』で知られる一方、馬主としても注目を集める藤田晋氏。馬主歴は長くはないものの所有馬はすでに多くの重賞を制している。そんな藤田晋氏が所有する期待の2歳馬を当チャンネルでは2回にわたって紹介してきたが、今回は2歳シリーズ最終回として5頭を取り上げる。今回は3頭目。

③チルチャンプ

父：キタサンブラック
母：ダンダラ
母の父：Dandy Man
性別：牝馬
生年月日：2023年2月8日
毛色：鹿毛
調教師：【美浦】手塚貴久
生産者：ノーザンファーム

　母ダンダラはこのチルチャンプが初仔。4代母であるCity Centreの近親にはジャパンカップに来日したGolanや英ダービーを勝利したNorth Lightなどがおり、欧州の活躍馬が多い血脈である。

　そんなチルチャンプは母系でNorthern DancerとLyphardの5×5、父系でDanzigの5×4のクロスを内包。欧州血統が積まれている母方ではスピードに富み、サンデーサイレンスの血脈である父方でスタミナ型のインブリードを補完するという、バランスが優れた血統構成に見える。距離適性にも幅が出そうで、どのような路線を歩んでも納得がいきそうだ。

　馬名由来は「人名より＋チャンプ」とのことだが、「チル」というと「一息つく」という用語を連想する人もいるのではないだろうか。牧場からは「かなりいいモノを持っている。少し調整が遅れたけど、秋には間に合いそう」とのコメントが出ている。

　成長過程で「一息ついた」ことで、のちに王者となる道程が出来上がったとするならば、これ以上ない「名は体を表す」馬になるだろう。
【了】

（文●小早川涼風）

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