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あえてダービー前に考えた!今年の“菊花賞”有力馬 (3)あっさりクリアで…菊花賞の惑星となってほしい1頭

text by 中西友馬

牡馬クラシック1冠目の皐月賞が行われ、ダービートライアルも終了。競馬界はダービー一色となっていく時期を迎えている。そんなダービー直前にあえて考えてみたいのが、今年の菊花賞馬について。近年は3歳牡馬の秋の目標が多様化しており、そもそも菊花賞を目標にする馬を予測することが困難な状況。
そんな中、昨年の菊花賞で好走傾向にある馬のデータとして取り上げた「後半5F全て11秒台のラップを刻んだレースを勝利している馬」という条件を利用して、今年の菊花賞馬候補5頭を考えてみた。今回は3頭目。

2025年山吹賞を制したピックデムッシュ
2025年山吹賞を制したピックデムッシュ

③ピックデムッシュ

 ここまで2頭は、ダービー前の現状で菊花賞馬を考えるときに、最も参考となりそうな皐月賞のワンツー。もちろん賞金も十分に足りているし、正直な話、誰が考えても一番最初に思いつく馬たちである。その点、3頭目に取り上げるピックデムッシュは、先月2勝目を挙げたばかり。今後、賞金加算orトライアルでの権利取りに成功しなければ、菊花賞への出走すら叶わないだろう。ただ、条件を満たした山吹賞はかなり強いレース内容であった。

 7頭立てという少頭数ながら、前の4頭と後ろの3頭が離れて縦長の展開。その中で、前の集団の一番後ろにつけたピックデムッシュ。前半の1000mは61秒5と平均〜やや遅めで通過したが、残り1000mあたりから後ろの集団の一番前にいたフィーリウスがスパート。先頭のハイタイドに並びかけて一気にペースが上がる。

 そんな消耗戦の中、ピックデムッシュも早めに進出。ハイタイドを競り落としたフィーリウスを4角で自ら捕まえに行って抜け出すと、直線では混戦の2着争いを尻目に2馬身半差の快勝。早めに動いたにも関わらず、自らが先頭に立って刻んだラスト2Fは11秒8-11秒8。中山の急坂もものともせず、ラストまで失速しない走りを見せた。

 まだ1勝クラスを勝ったばかりではあるが、スタミナの裏付けは十分。前出2頭の秋の目標が菊花賞となるか不透明な中、この馬は2200mの山吹賞を選択していることからも、秋の目標が菊花賞となる可能性はかなり高そう。ソエによってダービートライアルは回避となったが、逆に成長を促す良い休養を取れたとも考えられる。

 まずは2勝クラスで古馬との初対戦となりそうだが、あっさりクリアして菊花賞の惑星となってほしい1頭である。

【了】

(文●中西友馬

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