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あえてダービー前に考えた!今年の“菊花賞”有力馬 (2)現代最強のバケモン…! そのセールスポイントは…

text by 中西友馬

牡馬クラシック1冠目の皐月賞が行われ、ダービートライアルも終了。競馬界はダービー一色となっていく時期を迎えている。そんなダービー直前にあえて考えてみたいのが、今年の菊花賞馬について。近年は3歳牡馬の秋の目標が多様化しており、そもそも菊花賞を目標にする馬を予測することが困難な状況。
そんな中、昨年の菊花賞で好走傾向にある馬のデータとして取り上げた「後半5F全て11秒台のラップを刻んだレースを勝利している馬」という条件を利用して、今年の菊花賞馬候補5頭を考えてみた。今回は2頭目。

CroixduNord
2024年ホープフルSを制したクロワデュノール

②クロワデュノール

 2頭目は、ホープフルSの覇者で皐月賞2着のクロワデュノール。先述した皐月賞で先行勢で唯一踏ん張って2着した内容からもスタミナの裏付けは十分だが、条件を満たしたレースは、2歳6月の新馬戦。

 この条件を満たした馬には歴代の菊花賞好走馬が多かったわけだが、さすがに2歳6月にクリアしていた馬は皆無。基本的にスローの瞬発力勝負となりがちな早い時期の新馬戦でクリアしたというのは、その時点で将来の活躍が約束されていたようなものであった。

 このレースは、主導権争いで2F目が11秒4となったぐらいで、前半の800m通過は49秒4と普通の新馬戦から極端に乖離があるわけではないペース。

 しかし、800m通過からペースが上がっていき、11秒台5連発となるわけである。それを作り出したのは、逃げたアルレッキーノではなく、それをぴったりとマークして終始突いていたクロワデュノール。それだけ早めからエンジンをふかしていたにも関わらず、直線でアルレッキーノをねじ伏せた上で、ラストまで失速せずにラスト11秒5でまとめた。

 2歳6月でこのレースができることが驚きで、長く良い脚を使える点がセールスポイント。ただ、この馬は皐月賞で2着に敗れたことで、菊花賞出走には黄信号が灯ったと言ってもいいだろう。

 新馬戦と皐月賞の内容から、スタミナ面の不安はまったくないと考えているが、凱旋門賞の登録を済ませたという報道もあり、国内専念となったとしても、目標は天皇賞(秋)となる公算が高そうな気もする。

 それでも、ミュージアムマイルと同じサンデーレーシング所有ということで、2頭出しはなくてもどちらかは菊花賞に使うという可能性も考え、2頭ともに選出する形をとらせていただいた。

【了】

(文●中西友馬

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