オークス走破タイムトップテン【第2位】レース中事故で非業の死…その強さと悲劇の結末に列島が涙した三冠女王
今年で86回目を迎える牝馬クラシック第2戦・オークス。デビューから1年も経たない可憐な乙女たちには過酷ともいえる2400mの距離に試練に挑む。これまで幾多の名勝負を生んできた“世代の女王決定戦”だが、歴代最速タイムを記録したのはどの馬か。今回はその記録を、ランキング形式でじっくりと振り返る。今回は第2位。
2位:2分23秒1
2023年リバティアイランド (天候:晴 馬場:良)
第2位は、2023年リバティアイランドが記録した2分23秒1だった。
2023年に勝ったリバティアイランドは、桜花賞を大外一気で差し切り、大本命で迎えたこのオークスも84年のグレード制導入以降、史上最大着差で圧勝した。その後の秋華賞も勝ち、史上7頭目となる牝馬3冠を達成した。
レースはゲートが開くと、好スタートを切ったライトクオンタムがハナを切り、1馬身差でキミノナハラヴェルらが続いた。牝馬2冠を狙うリバティアイランドは、中団の内から前を追っていく。1000m通過タイムは60秒0と、レースは淡々と進み、3、4コーナーでも隊列はそのまま変わらず、最後の直線へ。6番手の内につけていたリバティアイランドは、やや外目に持ち出し、先頭を射程圏に入れた。
前方では内で脚を溜めていたラヴェルが、手応え良く抜け出していたが、リバティアイランドは残り400mの時点で、持ったままの抜群の手応えで鞍上のゴーサインにすぐさま反応した。グングン加速すると、残り200mでラヴェルを捕え、あとは突き放すのみだった。結局、6馬身差のオークス史上最大着差で優勝。勝ちタイムは2分23秒1で、史上17頭目の牝馬2冠達成となった。
だが、香港のG1「クイーンエリザベス2世カップ」のレース中に故障を発生し、非業の死を遂げたリバティアイランド。“お嬢さん”と親しまれ、牝馬3冠レースで見せた圧倒的な強さは、ファンの心から、一生消えることはないだろう。
【了】
(文●目白明)
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