国内最強の血統は…? 24年種付け頭数ランキング【第10位】米国生まれの良血! 跳ね上がった種付料金は…
かつてターフを優美に駆け抜け、歓声に包まれた英雄たち。その中でも一握りの名馬だけが手にする、第二の舞台が「種牡馬」という存在だ。しかしそれも第二の戦いの始まり。彼らは血統という名のバトンを託され、新たな結果を求められる。本記事では、国内における2024年の種付け頭数ランキングをトップ10から振り返る。今回は第10位。
10位 ナダル(190頭)
11位のリアルスティールを種付け数3頭の差で抑え、トップ10に滑り込んだのが、供用4年目のナダルだ。アメリカで生まれ、アーカンソーダービー(G1)含む重賞3勝、4戦無敗のまま米三冠のケンタッキーダービーの有力候補として台頭したが、重度の骨折により復帰は絶望的となり、本番を待たずして社台スタリオンステーションにて種牡馬入りした。
初年度から150という多くの種付けを行い、産駒たちは2024年に2歳となった。その中から25年4月13日までの時点で、70頭がデビューし、勝ち上がり率は5割を超える38頭となっている。
Roberto直系で、Kris.SからArchを経由した種牡馬Blameの仔であるナダルは、母方もPulpitやPleasant Colony、Stage Door Johnnyといった名うての米国ダート血脈を受け継いだ。自身の競走時代と同様、産駒のJRA勝ち鞍のうち実に93%がダート戦でのものであるが、その中身が濃い。
船橋のブルーバードC(Jpn3)を制したメルキオルや同2着のクァンタムウェーブ、18年の浦和・桜花賞を制したプロミストリープを母に持ち、ヒヤシンスS(L)で2着に好走したプロミストジーンらのほか、地方馬でもニューイヤーCを制したホーリーグレイルなど良質な産駒を次々に送り出している。
産駒の活躍ぶりに、25年度からの種付け料は、なんと1000万円にまで跳ね上がった。ナダルは、24年度の時点では未知数だったため、種付け料は300万円に設定されていたが、いま思えば“お買い得種馬”だったといえる存在となった。
24年は、オークス馬のヌーヴォレコルトやJBCレディスクラシック連覇などダート女王として君臨したミラクルレジェンドのほか、アイビスサマーダッシュの覇者ジョーカナチャンや関東オークス馬のウェルドーンなどの良血花嫁たちが交配相手として迎えられている。
【了】
(文●TOM)
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