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“その日”は目前か…?ファン待望のGⅠ初制覇に挑む注目騎手(3)人間の血統も抜群…!強心臓がウリの成長株

text by 小早川涼風

春のG1シーズンが本格的に始まったが、今年は有力馬とコンビを組む騎手の中で、まだG1タイトルを手にしたことのない騎手も多い。そこで今回は、2025年4月時点で中央G1未勝利の騎手の中から、近い将来G1初制覇を果たしそうな注目の5人をピックアップして紹介する。今回は3人目の騎手。

ただ、「なぜあの騎手が入っていないのか」と感じる方もいらっしゃるかもしれない。しかし、多数の有力騎手から5人に絞り込むのは非常に困難だった。そのため、今回名前を挙げなかった騎手についても、決してG1制覇の可能性が低いと考えているわけではない。この点については、どうかご理解いただきたい。それでは、注目の5人を順番に紹介していく。

2025年プロキオンSをサンデーファンデ―で制した鮫島克駿騎手
2025年プロキオンSをサンデーファンデ―で制した鮫島克駿騎手

③鮫島克駿

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デビュー:2015年(11年目)
重賞勝利数:14勝(中央12勝,地方2勝)
騎手リーディング:最高7位(2024年)
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 鮫島克駿騎手の父は佐賀競馬の調教師で、兄もJRAの騎手という競馬一家である。デビュー初年度から同期では最多となる39勝を挙げ、JRA賞最多勝利新人騎手を獲得した。以降もコツコツと勝ち鞍を増やし、騎手生活10年目となる2024年にはキャリアハイの99勝を挙げた。大舞台での存在感も増しており、すでに重賞を12勝をマーク。2020年の小倉大賞典での重賞初制覇から、わずか5年足らずでこの勝利数に到達しており、その成長ぶりが際立っている。

 克駿騎手の騎乗スタイルの強みは、どんな競馬場でもしっかり結果を出すことができるというもの。ゆえに、競馬そのものが上手というイメージがある。さらに、2024年の日経賞ではシュトルーヴェで馬群の間を突いて伸びてきたように、ここぞという時でも臆さない強心臓もウリだ。

 JRAのG1は44回騎乗して未勝利で、馬券圏内の入線は4回。その中の2回はジャスティンパレスで3着となった菊花賞と宝塚記念が含まれる。ジャスティンパレス自身は2023年の天皇賞(春)でG1を制覇しているが、同馬を神戸新聞杯で初重賞制覇に導いたのは、他でもない克駿騎手の手によるものだった。2023年の宝塚記念を最後に克駿騎手の騎乗はなかったが、2025年の大阪杯でコンビを再結成。この後のG1戦線での活躍に注目が集まっている。

 もちろん、ジャスティンパレス以外にもプロキオンSを制したサンデーファンデーや前述のシュトルーヴェなど、G1制覇に手が届きそうな実力馬もお手馬には多い。鮫島克駿騎手にとって、今年は大きなチャンスがある年になりそうだ。

【了】

(文●小早川涼風

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