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競馬イラストレーターえいたが選ぶ「推しレース」(5)怪物のラストラン

text by 加島亮介

名勝負の記憶、競走馬が紡ぐドラマ――競馬ファンなら誰しも心に残る“推し”があるはず。今回の『私の“推し〇〇”』では、XやInstagramで競馬イラストを発信し、多くのファンに支持されている人気イラストレーター・えいたさん(@eitanokeiba)に『推しのレース』を5つ語っていただきました。今回は5つ目のレース。

オルフェーヴル(イラスト:ⓒえいた)
オルフェーヴル(イラスト:ⓒえいた)

⑤2013年有馬記念 ~怪物のラストラン~

 5つ目のレースに選んだのは、オルフェーヴルのラストラン有馬記念です。

 オルフェーヴルは、この有馬記念の前走で凱旋門賞に出走しており、トレヴに完敗。しかし、凱旋門賞で2年連続の2着という誇るべき結果を残しました。そんな日本の競馬ファンに、何度も夢を見させてくれたオルフェーヴルが引退するということで、悲しい反面、最後の勇姿を目に焼き付けたい気持ちでした。

 当日の単勝オッズが1倍台だったとはいえ、不安の声もありましたね。凱旋門賞で2着でしたけど、トレヴに5馬身も離されましたから。しかも、有馬記念の出走馬には、前年の勝ち馬ゴールドシップや永遠のライバルともいわれるウインバリアシオンなど、強豪揃いです。それでも私は、1ミリの疑いもなくオルフェーヴルを本命にしました。

 まさに圧巻のフィナーレでした。2着のウインバリアシオンに8馬身差の圧勝です。まさしく「有終の美」と呼ぶにふさわしい走りでした。「やっぱり信じて良かった!」と、予想が当たった以上の感動がありました。

 凱旋門賞での悔しさがあったからこそ、有馬記念での走りには震えるものがありました。やっぱりオルフェーヴルは別格ですね(笑)。競馬という世界の奥深さと魅力を改めて教えてくれた、特別なラストランでした。

【了】

(文●加島亮介

【プロフィール】えいた


競馬イラストレーターとして、2020年に活動を開始。ユニークな絵のタッチと表現力のセンスから、瞬く間にファンを獲得していった。今後の活躍が注目される競馬イラストレーターの一人である。
Xフォロワー5.2万人、インスタグラム1.6万人(※2025年4月時点)
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