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天皇賞・春、驚きの最速記録は? 走破タイムトップテン【2位】まるで空を飛ぶ…最強の英雄が見せた圧勝劇

text by 目白明

伝統の長距離王決定戦・天皇賞(春)。3200mという中央競馬で最長の距離を誇るG1では、究極のスタミナ勝負が数多く繰り広げられてきた。そんな天皇賞(春)で、歴代最速タイムを記録したのは、一体どの馬なのか。ランキング形式で、10位からじっくりと振り返っていく。今回は第2位の記録。

※2021年に3分14秒7で走破したワールドプレミアは、阪神競馬場での記録のため、今回のランキングには含めていない。

2006年天皇賞春を制したディープインパクト
2006年天皇賞春を制したディープインパクト

2位:2006年ディープインパクト(タイム:3分13秒4 天候:晴 馬場:良)

 第2位は、2006年ディープインパクトが記録した3分13秒4だった。

 2006年に勝ったディープインパクトは、言わずと知れた2005年の無敗の3冠馬だが、暮れの有馬記念で初黒星を喫した。仕切り直しのG1となった天皇賞(春)で、マヤノトップガンが1997年にマークしたレコードを1秒も縮めるタイムで、G1・4勝目を挙げた。

 例によって単勝オッズは1.1倍の断然人気で、単勝支持率は73.5%と、天皇賞(春)史上最高の数字となった。

 ディープインパクトは、スタートでは立ち遅れ、17頭中の16番目と後方2番手から進めることとなった。最初の1000mを60秒3で通過すると、1周目のスタンド前、1コーナーを回りディープインパクトはまだ、後方2番手に位置するが、2周目の向正面でややポジションを上げて、後方4番手につける。そして、ここからが圧巻の走りだった。

 3コーナー手前、ディープインパクトは外から一気に前に進出すると、坂を下り切った残り600m地点で、あっという間に先頭に立ってしまう。早過ぎるかと思われたが、直線に入ってもその脚は止まらず、後続に1、2馬身ほどの差をつけて、先頭を走った。最後は上がり33秒5の脚を使い、代名詞の空を飛ぶような走りで、内ラチ沿いを駆け抜けて、1着でゴール。

 マヤノトップガンのレコードを1秒も縮める、3分13秒4のタイムで、有馬記念の悪夢を払拭する圧勝劇をみせ、菊花賞以来のG1・4勝目を手に入れた。

【了】

(文●目白明

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