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「勝ち馬のインパクトがすごい!」阪神ジャンプステークス歴代名勝負(3)高田騎手の偉業…! 4年連続の大記録は?

text by 中西友馬

1999年に創設された阪神ジャンプステークス。創設当初は阪神芝3170mで行われていたが、2007年からは阪神芝3140mで施行されている。2024年時点で過去に4度、中京芝3300mで開催されており、今年も中京で行われる予定となっている。そんな阪神ジャンプステークスの歴史から、5つのレースをピックアップして紹介する。

③2016年(勝ち馬ニホンピロバロン)

 オースミムーンの阪神ジャンプステークス2勝目となった勝利から1年が経った、2016年の阪神ジャンプステークス。

 この年は、入障後6戦5勝2着1回のニホンピロバロンが人気を集めたのだが、それ以上に注目を集めたのは、そのニホンピロバロンの鞍上である、高田騎手。高田騎手はなんと、2010年以降の阪神ジャンプステークスでの成績が、②②②①①①着。この年は阪神ジャンプステークス4連覇と、史上初となる同一重賞7年連続連対というダブルの偉業に王手をかけていた。

 そんな高田騎手騎乗のニホンピロバロンは、単勝1.8倍の1番人気。JG1を2勝しているアップトゥデイトを抑えての人気に推され、発走を迎えた。
レースは、アップトゥデイトがハナを切る形。後続を引き離して、序盤は大逃げ態勢を作り出す。ニホンピロバロンは中団あたりから進め、かなり縦長の展開となる。レースが動いたのは、やはり2周目の3角手前。好位を追走していたリスヴェリアートがアップトゥデイトとの差を一気に詰め、外に並びかける。連れるように浮上したのが、ニホンピロバロン。3頭がほぼ横並びの状態で4角を回り、最後の直線へと向かう。

 3頭での争いとなって、最終障害を飛越。そこから前に出たのは、外のニホンピロバロン。内で抵抗するアップトゥデイトをねじ伏せるように、半馬身先着して勝利した。最終障害でバランスを崩したリスヴェリアートは遅れ、3着には最内を伸びてきたテイエムシシーポスが入った。
 
 勝ったニホンピロバロンは重賞連勝を飾り、障害入り後7戦6勝とした。そして鞍上の高田騎手は、阪神ジャンプステークス4連覇を達成。さらに、同一重賞7年連続連対という、史上初の記録も達成した。

 ニホンピロバロンはその後、屈腱炎により1年以上の休養を余儀なくされるも、見事にカムバック。2018年の中山大障害では、タイセイドリームとのハナ差の激戦を制し、悲願のJG1初制覇を果たした。

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