「バケモン級の強さだ…!」“無敗”の皐月賞馬(3)エグいほど速い…テイオーの翌年に現れた坂路の申し子
牡馬クラシック第1弾・皐月賞。今年の注目は無敗のままホープフルSを制したクロワデュノールだ。彼が同レースで下した相手が、前哨戦を軒並み勝ち上がっており、まさに“一強”ムード。無敗での皐月賞制覇に期待が高まっている。今回は過去に皐月賞を無敗で制した名馬の中から、厳選した5頭を紹介する。3頭目はミホノブルボン。

③ミホノブルボン
1992年に無敗で皐月賞を制したミホノブルボンは、決して恵まれた血統ではなかったが、徹底的な調教で鍛えられたスピードを駆使して、無敗で皐月賞を勝利した。
デビュー前から坂路調教で鍛えられていたミホノブルボンは、オープンクラスの古馬が500メートルを30秒台で走る中、30秒を切るタイムを記録するほどで、後に「坂路の申し子」と呼ばれるようになった。1992年9月のデビュー戦で早速、自慢のスピードを発揮。1000mの新馬戦で当時の3歳コースレコードを更新する、58秒1を記録すると、連勝で迎えた朝日杯3歳Sでも、抜群のスピードで勝利を収めた。クラシックシーズンの始動戦となったスプリングステークスでは、1800mへの距離不安を抱えながらも7馬身差で圧勝し、本番の皐月賞へと駒を進めた。
迎えた皐月賞、ミホノブルボンは単勝1.4倍の圧倒的支持を受けて出走。好スタートからそのまま先頭に立ち、後続を約3馬身引き離して前半1000mを59秒8のペースで通過する。3~4コーナーでセキテイリュウオーらが追い上げを図るも、直線では後続が次々と失速。それを尻目に、ミホノブルボンはさらにギアを上げ、最後まで脚色衰えず1着でゴールした。
坂路で鍛えられた「坂路の申し子」が、抜群のスピードで“最も速い馬が勝つ”といわれる皐月賞を、無敗のまま制した。
【了】
(文●目白明)
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