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オルフェーヴル産駒の最高傑作は? (2)いろんな意味で“早すぎた”後継馬。産駒は以外にもダートでも

text by 中西友馬

現役時代は史上7頭目となるクラシック3冠を達成し、凱旋門賞でも2年連続2着の実績を残したオルフェーヴル。その一方で、レース後に池添騎手を振り落としたり、阪神大賞典で逸走するなど、「金色の暴君」の異名がぴったりの馬でもあった。今回はそんなオルフェーヴル産駒の中から、特に活躍を見せた5頭をピックアップして紹介する。二頭目はエポカドーロ。

Epocad'Oro
エポカドーロ

エポカドーロ

 ラッキーライラックと同期となる、オルフェーヴル第1世代の牡馬では、皐月賞馬エポカドーロの活躍も目立っていた。

 エポカドーロは、レース上がり33秒7の新馬戦こそキレ負けして3着に敗れるも、レース上がりが35秒台であった未勝利戦とあすなろ賞を連勝。スプリングSではステルヴィオにハナ差惜敗したが、優先出走権を得て皐月賞へと駒を進める。

 その皐月賞は、稍重の馬場ながら前半1000m通過59秒2というハイペース。エポカドーロにとっては願ってもない展開となり、レース上がり37秒3の消耗戦を制して2馬身差の快勝。エポカドーロ自身にとってももちろんG1初制覇。父オルフェーヴルにとっては初のクラシック勝利であり、同時に皐月賞の父仔制覇も達成した。

 その後、エポカドーロには不向きだと思われた東京競馬場で行われたダービーでも、ゴール前まで逃げ粘ってワグネリアンの2着に好走。皐月賞がフロックではないことを証明してみせた。しかし、それ以降は馬券圏内に入ることはなく、腸捻転を発症したこともあって5歳夏に現役を引退した。

 消耗戦となった皐月賞を筆頭に、上がりのかかるレースでの好走が目立ったエポカドーロ。ある意味ラッキーライラックよりオルフェーヴル産駒っぽい馬であり、現時点ではオルフェーヴル産駒で唯一の、G1父仔制覇を達成している馬でもある。

 現役引退後は、種牡馬として第二の馬生をスタート。今年の2月にエポカスピーガが産駒JRA初勝利を挙げた。その舞台が、エポカドーロが一度も走ったことのないダート1300mというのも、いかにもオルフェーヴルの血を引き継ぐものといった印象。現時点でまだ目立った活躍馬は出ていないが、ダートもこなせることが分かったことにより、地方競馬からも引く手あまたであろう。

【了】

(文●中西友馬

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