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激論必至!最強世代の中の“最強世代”は?(2)ドラマ性ではNo.1!04年クラシック世代

text by 中西友馬

最強世代論争。競馬ファンの中で永遠に終わらない議題の一つだ。今回は、独自に最強世代5選をピックアップ。「なぜあの世代が入っていないんだ」と思われる部分もあるかもしれないが、5つに絞るのはかなり困難をきわめたため、そこはどうかご容赦いただきたい。それでは、年代順にひとつずつ紹介していく。2つ目は、2004年のクラシック世代。

Generation_2004
2004年クラシック世代

②2004年クラシック世代

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■GⅠ勝利数 中央22勝、地方8勝、海外4勝 合計34勝
■主な活躍馬
ダイワメジャー(皐月賞、天皇賞・秋、マイルCS連覇、安田記念)
カンパニー(天皇賞・秋、マイルCS)
ハーツクライ(有馬記念、ドバイシーマC)
デルタブルース(菊花賞、メルボルンC)
スイープトウショウ(秋華賞、宝塚記念、エリザベス女王杯)
コスモバルク(エアラインズカップ)
ダンスインザムード(桜花賞、ヴィクトリアマイル)
キングカメハメハ (NHKマイルC、東京優駿)
ハットトリック(マイルCS、香港マイル)
スズカマンボ(天皇賞・春)
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 1998年クラシック組を正統派最強世代とするなら、2004年クラシック組はドラマのある馬を多く抱えた最強世代といった印象である。

 まず牡馬クラシック戦線を大いに盛り上げてくれたのが、「道営の星」コスモバルク。道営4戦2勝の戦績でJRAの芝レースに挑戦すると、3戦3勝で皐月賞の舞台に駒を進めた。

 皐月賞では1番人気の支持を受けるも、ダイワメジャーに敗れて惜しくも2着。その後もダービー8着、菊花賞4着とクラシック制覇には手が届かなかったが、ジャパンCで2着に好走するなど、道営所属のままJRAの芝G1で活躍した。古馬になってからは、シンガポールの地で悲願のG1制覇も果たした。

 10番人気ながら、皐月賞でコスモバルクを下して勝利したダイワメジャーは、その後古馬になってからG1で4勝を挙げた。

 皐月賞と合わせてG1・5勝の活躍を見せ、有馬記念でも2年連続の3着に入るなど、1600m〜2500mで活躍した万能型の馬であった。

 そしてこの年のダービー馬は、NHKマイルCとの変則2冠を達成したキングカメハメハ。しかし、古馬との初対戦となる天皇賞(秋)を前に、屈腱炎を発症し現役引退。そのため他の世代との比較はつかないが、NHKマイルCとダービーの圧倒的なパフォーマンスから、3歳時点で世代トップの実力を持っていたことは明らか。無事であれば、その後も無双していた可能性も十分にあった。

 そのダービーで2着だったのが、2005年の有馬記念でひとつ下の世代のスーパースター・ディープインパクトを撃破したハーツクライ。その後、ドバイシーマCで海外G1制覇も成し遂げてG1・2勝を挙げた。

 そして、同世代の馬たちがほとんど引退した2009年、G1初制覇を果たしたのがカンパニーであった。菊花賞(9着)にも出走していたのだが、なにせG1初制覇が8歳だったので、正直同世代のイメージはあまりないだろう。

 路線としてはダイワメジャーと丸かぶりなのだが、カンパニーが本格化したのはダイワメジャー引退後。8歳でのG1連勝はまさに圧巻であった。

 また、この世代は世界の舞台で活躍した印象も強く、コスモバルクやハーツクライ以外にも、香港マイルを制したハットトリック、メルボルンCを制したデルタブルースが海外G1を制覇。ダートで活躍した船橋のアジュディミツオーはコスモバルクより早く、地方馬として初めて海外遠征を果たした(ドバイWC6着)。

【了】

(文●中西友馬

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