福永厩舎「期待の2歳馬」たち(4)近親にはもちろんジェンティルドンナ。期待される良血の覚醒
間もなく開業から1年が経つ、福永祐一調教師。昨年は17勝を挙げ、CBC賞のドロップオブライトとデイリー杯2歳Sのランフォーヴァウで重賞も2勝。今年はG1初制覇への期待がかかる1年となる。そんな福永厩舎には、2025年にデビュー予定の2歳馬にも素質馬がズラリ。今回はその中から、5頭をピックアップして紹介する。四頭目はドナウブルーの2023。

ドナウブルーの2023
性別:牝馬
生年月日:2023年3月26日
毛色:栗毛
馬主:サンデーレーシング
生産牧場:ノーザンファーム
取引市場:
兄弟(姉妹):ドナウデルタ、イシュトヴァーン
馬名の由来:
ここまで3頭は牡馬の注目馬を取り上げてきたが、牝馬の中で注目なのがドナウブルーの2023。
サンデーレーシングから150万円×40口(総額6000万円)で募集された同馬は、父はG1・2勝のエピファネイア、母は重賞2勝のドナウブルーという良血馬。さらには、ドナウブルー自身も3冠牝馬ジェンティルドンナの全妹という、筋の通った血統馬である。
ドナウブルーの子どもは現在8頭がデビュー。うち5頭がJRAで勝利を挙げており、2番仔のドナウデルタはリステッド競走を2勝。重賞制覇にあと一歩まで迫った。
そしてこの馬もトゥルージョワと同じように、両親ともに現役時代に福永騎手が手綱を執った馬たち。父エピファネイアは、前述したように菊花賞の勝利をエスコート。母ドナウブルーはデビューから3戦の鞍上を務め、さらには引退レースの背中にも跨っていた。
配合の観点から見ると、父エピファネイア、母父ディープインパクトという組み合わせは、2020年の菊花賞でコントレイルの3冠阻止にあと一歩まで迫ったアリストテレスや、2021年の菊花賞でタイトルホルダーの2.3着となったオーソクレースとディヴァインラヴが当てはまる。
やけに菊花賞での活躍が目につき、豊富なスタミナを受け継ぐことが多いようだ。この馬は、母の適性距離や兄姉の活躍距離からマイル前後の活躍がイメージしやすいが、案外距離は保つタイプなのかもしれない。
ルーラーシップ産駒の兄イシュトヴァーンはダートで4勝を挙げたが、ほかの兄姉は芝での活躍が目立つ。エピファネイア産駒であることも考えると、もちろん芝での活躍を考えていくだろう。
マイルを主戦場にしていた母のスピードと、エピファネイア×ディープインパクトの菊花賞配合が上手く融合すれば、牝馬クラシック戦線での活躍がイメージできる。
【了】
(文●中西友馬)
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