キングカメハメハ産駒の最高傑作は? (4) 幸騎手とのコンビが印象深い“ダートの帝王”
現役時代、NHKマイルCとダービーのいわゆる「変則2冠」を達成したキングカメハメハ。種牡馬としても非常に重宝され、2010年には年間種付け頭数266頭という日本記録も達成した。今回は、そんなキングカメハメハ産駒の中から、特に活躍を見せた5頭をピックアップして紹介する。四頭目はホッコータルマエ。

ホッコータルマエ
クラシックディスタンスの活躍馬だけでなく、スプリント王者ロードカナロアの父ともなったキングカメハメハ。さらには、ロードカナロアのひとつ下となる4世代目では、ダート界を制圧したホッコータルマエを輩出した。
全4勝をダートで挙げたマダムチェロキーを母に持つホッコータルマエは、明けて3歳となった2012年の1月に京都でデビュー。母の主戦場と同じダートで迎えた新馬戦は、なんと単勝万馬券となる107.7倍の11番人気。そして結果も、勝ち馬から3秒以上離された11着に敗れた。
距離を延長した2戦目も単勝49.1倍の9番人気だったが、一変したレースぶりで好位から抜け出し、初勝利を挙げる。その後も休まず走りながら地道に力をつけ、夏にはJDDに出走して5着になるまでの成長を見せた。そして、続くレパードSで重賞初制覇。ここまでデビューから7ヶ月弱で9戦を消化。デビューが年明けまで遅れた馬とは思えない身体の強さを見せ、重賞ウィナーまで上り詰めた。
その後はなかなか勝ち星に恵まれなかったが、明け4歳となった佐賀記念から、4連勝でかしわ記念を制してG1級初制覇。ここからダートG1級の常連メンバーとなると、先輩のエスポワールシチーやワンダーアキュート、ニホンピロアワーズ、後輩のコパノリッキー、サウンドトゥルー、ノンコノユメらとしのぎを削った。
オールウェザーとダートどちらも経験したドバイWCには、日本馬最多の3年連続で出走。7歳で現役を引退するまでに、G1級レースでなんと10勝を挙げた。G1級10勝は日本競馬史上初となる大偉業で、「ダートの帝王」と呼ばれたホッコータルマエ。デビュー5戦目で初コンビを組んだのち、39戦のキャリアのうち実に34戦で手綱を執った幸騎手とのコンビも、非常に印象的であった。
現役引退後は種牡馬入りを果たし、産駒はやはりダートを中心に活躍。現時点でJRAの重賞勝利こそないが、メイショウフンジンが今年の佐賀記念を制するなど、交流重賞での活躍が目立っている。
【了】
(文●中西友馬)
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