芦毛馬獲得賞金ランキング【第8位】 G1獲得まであと一歩……54レースに出走したタフガイ
かつて日本の競馬界には「芦毛馬は走らない」という迷信があった。しかし、それが打ち破られたのは1980年代後半のこと。タマモクロスの登場を皮切りに、芦毛の名馬たちが次々と現れ、芦毛馬への偏見は払拭された。本記事では、多くのファンを魅了した芦毛の名馬たちトップ10を獲得賞金順のランキング形式で紹介する。今回は第8位。

8位 エムアイブラン(5億4,134万円)
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性別:牡馬
戦績:54戦12勝 [12-12-6-24]
主な勝ち鞍:1997年アンタレスS(G3)、1998年平安S(G3)
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8位にランクインしたのは、ダートを主戦場として活躍し、武蔵野Sを連覇、ほかアンタレスSと平安Sを含むG3・重賞4勝を挙げたエムアイブラン。
1992年生まれのエムアイブランは、母ユキグニから譲り受けた芦毛のダートホースとして名を馳せた。デビューは、3歳4月の未勝利戦と遅くなったが、年内に条件戦で安定した走りをみせ、準オープンクラスにまで上がっていた。
翌年に4歳馬となったエムアイブランは、順調に入着を繰り返して夏場にオープン入りを果たす。ブライアンズタイム産駒らしい成長力で着実に力を身に着け、4歳終了時点での獲得賞金は約1億円となった。
初重賞制覇となったのは、1997年のG3アンタレスSで、その時期から重賞でも安定した成績を残すようになっていく。1998年にはG3・平安Sを制し、武蔵野Sでは2連覇を達成することになる。この4重賞の制覇で得た本賞金は、およそ1億7000万円。
また、エムアイブランの名レースといえば、1999年のG1フェブラリーSだろう。このレースを制したのは、地方競馬所属のメイセイオペラだったが、武豊騎乗のエムアイブランは上がり最速の末脚で追い込み、2着に健闘した。
ほとんどが中央のダート戦での出走ながら、生涯で5億円以上を稼ぎ出したエムアイブラン。もし地方交流重賞が整備された現在の環境で走っていたなら、その賞金はさらに膨らんでいたかもしれない。
【了】
(文●TOM)
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