芦毛馬獲得賞金ランキング【第9位】千代田牧場ゆかりの血を受け継ぐ美しき芦毛の名牝
かつて日本の競馬界には「芦毛馬は走らない」という迷信があった。しかし、それが打ち破られたのは1980年代後半のこと。タマモクロスの登場を皮切りに、芦毛の名馬たちが次々と現れ、芦毛馬への偏見は払拭された。本記事では、多くのファンを魅了した芦毛の名馬たちトップ10を獲得賞金順のランキング形式で紹介する。今回は第9位。

9位 ホエールキャプチャ(5億3,231万円)
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性別:牝馬
戦績:30戦7勝 [7-4-5-14]
主な勝ち鞍:2012年ヴィクトリアマイル(G1)
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芦毛馬の獲得賞金トップ10の中で、最初にランク入りした牝馬が、2012年のヴィクトリアマイルで待望のG1勝ちを収め、総賞金約5億3000万円を獲得したホエールキャプチャだ。
ホエールキャプチャは、天皇賞(秋)や安田記念などを制したニッポーテイオー、エリザベス女王杯勝ちのタレンティドガールを輩出した名門・千代田牧場に生を受けた。父クロフネから譲り受けた芦毛の牝馬は、牝系も千代田牧場を支えてきた血統を持つ。母はグローバルピースで、祖をたどれば同牧場の基礎牝馬チヨダマサコに行き着く良血である。
2010年7月、函館競馬場でデビュー。そこから翌11年の3歳末までコンスタントに安定した走りを続け、ローズSやクイーンCの重賞2勝を挙げた。しかし桜花賞2着、オークスと秋華賞で3着、エリザベス女王杯は4着と、どうしてあと一歩G1には届かなかった。それでも3歳終了時点で、合計約2億円の本賞金を獲得した。
そして、4歳となった2012年のヴィクトリアマイルで待望の瞬間を迎える。アパパネやマルセリーナなど強豪が揃う中、好位から抜け出し完勝。初のG1タイトルとともに、本賞金約1億円を獲得した。
その後はスランプともいえる凡走が続いたが、それでも翌年のヴィクトリアマイルで2着に入り、さらに重賞を2勝を挙げた。2015年4月の阪神牝馬Sで9着に敗れたのを最後に、繁殖牝馬として牧場へと帰ってきた。
ヴィクトリアマイルを含む重賞5勝、桜花賞や阪神JFなどG1で4連対の記録を残してターフを去ったホエールキャプチャは、繁殖入り後も名牝系の血を残す重要な役割を担うこととなった。
2016年にはオルフェーヴルと交配されたアルママが生まれ、同年のセレクトセール当歳馬部門で1億7000万円(税抜)の高値で落札された。目立った活躍馬こそ輩出していないが、今もなお、千代田牧場の「看板娘」として奮闘中である。
【了】
(文●TOM)
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