2025年デビュー予定の“名牝の初仔”(3) 目指すは一等星! あの“シルバーコレクター”の一番息子
現役時代に大活躍を遂げた名牝の仔には、『母を超える走りが見られるか』『あの名馬の仔が走る』と、注目が集まる。それは血が織りなすドラマで、競馬の面白さのひとつでもある。今回は、2025年にデビューを控える名牝たちの初仔から、5頭を取り上げて紹介していく。三頭目はカレンブーケドールの初仔。

ハムタン

プロフィール
性別 | 牡馬 | |
生年月日 | 2023年3月18日 | |
毛色 | 鹿毛 | |
馬主 | TNレーシング | |
調教師 | 武幸四郎【栗東】 | |
生産牧場 | 社台ファーム | |
取引市場 | 2024年セレクトセール(3億4,100万円) | |
母の主な戦績 | 優駿牝馬2着(GI)、秋華賞2着(GI)、ジャパンカップ2着(GI)、天皇賞・春3着(GI)など | |
馬名の由来 | ハムスター+敬称 |
セレクトセールは毎年、様々な視点から注目を集める舞台である。だが、落札額以外の観点からセリを楽しむ人でも、2024年のセレクトセールでは、『カレンブーケドールの仔が高額落札馬に』と驚いたのではないだろうか。
カレンブーケドールの初仔は、3億4100万円という同年のセレクトセールでは第8位となる金額で落札された。同馬を購入したのは2025年2月現在、OPクラスで活躍しているセキトバイーストなどを所有するTNレーシングで、この金額は恐らく同馬主がこれまで競り落とした馬達のなかで1位タイである。
血統的にはサンデーサイレンスの“奇跡の血量”と、Hail to Reasonの5×5を持つ。この血統構成にはエフフォーリアやテーオーロイヤルなどG1を制した活躍馬も多いため、同馬の将来性はかなり高そうだ。
現役時代、カレンブーケドールは重賞に13回出走し、掲示板を外したのはラストランの天皇賞・秋のみという安定感を見せた。彼女が走るたびに『次こそは』と思わせたその走りに、勇気をもらった人も多いだろう。そんな母を持つ息子が、あと一歩で届かなかった大舞台での勝利を叶え、大輪の花を咲かせる──。そんな瞬間が訪れるのであれば、カレンブーケドールを応援していた人たちにとってはファン冥利に尽きるのではないか。
【了】
(文●小早川涼風)
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