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地方「生え抜き」馬獲得賞金ランキング 【3位】海外挑戦もした地方の怪物。カネヒキリなど中央勢にも勝利

text by 小早川涼風

地方競馬から中央に移籍し、活躍したオグリキャップやイナリワンのような名馬は多い。しかし、地方でデビューし、一貫して地方競馬で走り続けた「生え抜き」の名馬たちも数々の輝かしい実績を残している。本記事では、獲得賞金ランキング上位10頭を厳選し、それぞれの軌跡を紹介する。今回は第3位のアジュディミツオー。

AdjudiMitsuo
アジュディミツオー

3位 アジュディミツオー(5億8,410万円)

性別:牡馬
所属:川島正行(船橋)
戦績:27戦10勝 [10-5-2-10]
主な勝ち鞍:東京大賞典(GI)、帝王賞 (JpnI)、かしわ記念(JpnI)

 第3位は、2000年代前半から後半にかけて南関東で活躍したアジュディミツオーだ。賞金額3位から6位までが5億円台にひしめく中、4位のマキバスナイパーに約5000万円の差をつけており、3位の座を確固たるものにしている。獲得賞金は5億8410万円にのぼる。

 アジュディミツオーは、船橋でデビューし、4連勝で東京ダービーを制覇。JRA勢との初対決となったジャパンダートダービーでは4着に敗れたが、暮れの東京大賞典では見事に雪辱を果たし、JRA勢を下して勝利を収めた。東京大賞典が交流重賞となってからは初となる、地方所属の3歳馬による勝利であった。

 翌年、アジュディミツオーは地方所属馬として史上初めて、ドバイワールドカップに挑んだ。レースは6着に終わったが、その挑戦に多くの人々は賞賛の拍手を送った。帰国後はやや低迷した時期もあったが、暮れの東京大賞典で復活を遂げ、史上初の連覇を達成。南関東だけでなく日本競馬界のダート路線を牽引する1頭として君臨した。

 アジュディミツオーは2009年に引退。一方、フリオーソがデビューしたのは、ちょうど彼が全盛期を迎えていた2006年だった。南関東の中距離G1級競走を総なめしたアジュディミツオーの引退後、南関東の総大将の座は、フリオーソへと受け継がれた。

【了】

(文●小早川涼風

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