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地方「生え抜き」馬獲得賞金ランキング 【4位】9歳になっても走り続け、ファンに愛され続けた名馬

text by 小早川涼風

地方競馬から中央に移籍し、活躍したオグリキャップやイナリワンのような名馬は多い。しかし、地方でデビューし、一貫して地方競馬で走り続けた「生え抜き」の名馬たちも数々の輝かしい実績を残している。本記事では、獲得賞金ランキング上位10頭を厳選し、それぞれの軌跡を紹介する。今回は第4位。

Makiba Sniper
第49回日本テレビ盃を制したときのマキバスナイパー

4位 マキバスナイパー(5億3,441万円)

性別:牡馬
所属:北川亮(船橋)→岡林光浩(船橋)→法理勝弘(高崎)
戦績:67戦21勝 [21-10-8-28]
主な勝ち鞍:帝王賞 (JpnI)、日本テレビ盃(JpnII)、浦和記念(JpnII)

 アブクマポーロが賞金王として各地で勝利を重ねていた1998年、その同じ船橋から、もう一頭の名馬がデビューした。後に5億3441万円を獲得し、歴代賞金ランキングでアブクマポーロに次ぐ存在となる、マキバスナイパーである。

 3歳時から自己条件で堅実に勝ち星を積み重ね、着実に賞金と経験を蓄えていったマキバスナイパーは、4歳11月に重賞・東京記念で待望のタイトルを手にした。勢いに乗って挑んだ東京大賞典では、中央・地方の強豪を相手に3着と健闘。この時点で獲得賞金はすでに1億円を超え、その実力を確かなものにしていた。

 以降も南関有力馬の一頭として走り続けた同馬は、6歳の夏、鞍上に短期免許で来日していたケント・デザーモ騎手を背に帝王賞を制覇。G1級ホースとなった後も安定した成績を残し、浦和記念を2勝。引退までに重賞通算10勝を達成した。

 現役最後の年となった9歳シーズンは、北関東の高崎へ移籍。移籍後は思うような結果を残せなかったが、それでも最後まで懸命に走り続けた。多くのファンから愛され、気がつけば当時、アブクマポーロに次ぐ賞金を獲得するまでになっていた。2013年には、相馬野馬追にも姿を見せたという。(2025年1月現在)歴代4位の賞金王は、最後まで人々に愛された名馬であった。

【了】

(文●小早川涼風

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