ゆかりの血統馬が集結! 福永厩舎期待の2歳馬(1)5億超えのコントレイル産駒。目指すは“てっぺん”
間もなく開業から1年が経つ、福永祐一調教師。昨年は17勝を挙げ、CBC賞のドロップオブライトとデイリー杯2歳Sのランフォーヴァウで重賞も2勝。今年はG1初制覇への期待がかかる1年となる。そんな福永厩舎には、2025年にデビュー予定の2歳馬にも素質馬がズラリ。今回はその中から、5頭をピックアップして紹介する。一頭目はサガルマータ。
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①サガルマータ
性別:牡馬
生年月日:2023年2月10日
毛色:青鹿毛
馬主:前田幸治
生産牧場:ノーザンファーム
取引市場:2023年 セレクトセール
兄弟(姉妹):レヴェッツァ
馬名の由来:エベレストのネパール名。「世界の頂上、大空の頭」の意味を持つ
最初に取り上げるのは、2年前のセレクトセールで衝撃を与えた『コンヴィクションⅡの2023』。のちに馬名は、世界の頂上エベレストを意味する、サガルマータと名付けられた。
父は新種牡馬の目玉と言っても過言ではない無敗の3冠馬コントレイルだ。母はアルゼンチンの芝中距離G1馬であるコンヴィクションⅡという良血馬。兄弟には、芝中距離で3勝を挙げたレヴェッツァなどがいる血統のサガルマータは、2023年のセレクトセール当歳部門に上場された。
新種牡馬コントレイルの初年度産駒に加え、母もアルゼンチンG1馬という血統の良さから注目を集めていた。この馬の価格はどんどん上昇し、最終的にはセレクトセール歴代3位(当時)となる、5億7200万円(税込)で落札された。落札者は、コントレイルのオーナー前田晋二氏の兄である、ノースヒルズ代表の前田幸治氏であった。セール後のインタビューで前田オーナーは、「福永調教師への最大の開業祝いです」と語り、福永厩舎への預託を約束した。
この馬の適性に関しては、兄や姉の戦績から鑑みても、やはり芝の中長距離への適性を測り、クラシック路線に乗せたいところだろう。
ただ、期待の新種牡馬紹介でも書いたが、コントレイルは血統的にダートも十分こなせると考えており、調べたところ母のコンヴィクションⅡも、ダートのG2で2着した経験があるよう。このことから、ダートがからっきしダメということはなさそう。
あとはデビュー時期となるが、クラブ馬ではないため情報が少ない現状。母コンヴィクションⅡが5歳でG1初制覇を飾っていることから成長力はありそうだが、新種牡馬はセレクトセール(7月中旬)までに結果を出して、評価を高めたいという思惑もありそう。早期特例登録馬として競走馬登録されていることからも、早期デビューの可能性も十分あり得る。
高額取引馬は大成しないと言われるジンクスを破り、偉大な父の背中を追って“てっぺん”をとることができるか、デビューが待ち遠しい馬である。
【了】
(文●中西友馬)
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