G1未勝利馬獲得賞金トップテン【9位】 傑物と同世代に生まれた”善戦マン”。運命に抗った青森の星
競走馬の一生において、G1タイトルを手にする馬はごくわずか。その舞台に立つこと自体が難しく、勝つには実力だけでなく運も必要だ。現役最終戦でG1制覇を果たしたステイゴールドのような例もあるが、ほとんどの馬が勝てずに引退していく。今回はそんなG1未勝利馬で獲得賞金ランキングのトップ10に入った馬たちを紹介する。今回は第9位。
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9位 ウインバリアシオン(5億7994万6000円)
性別:牡馬
戦績:23戦4勝 [4-7-2-10]
主な勝ち鞍:14年日経賞(G2)、11年青葉賞(G2)
2008年にノーザンファームで生まれたウインバリアシオンは、デビュー2連勝で好スタートを切った。その後、クラシックに向け勝ち切れないレースが続くも、G2青葉賞で後方から鮮やかに差し切り勝ちを果たし、5000万円以上の賞金を手に入れた。続くG1日本ダービーでは、ライバルとなるオルフェーヴルの2着に入り、約7000万円を獲得した。
秋はG2神戸新聞杯から始動し、菊花賞でオルフェーヴルにリベンジを挑むも、完敗といえる連続2着。しかし、本賞金は3歳で2億円を超えた。
古馬となっても勝ち切れないレースが続く。2012年のG1天皇賞(春)では3着、翌2013年は、オルフェーヴルの引退レースとなった有馬記念で2着に完敗した。なかなか4勝目を挙げることができなかったが、賞金をコンスタントに上乗せしていった。
6歳となった14年のG2日経賞で、後方待機策から3~4コーナーで捲って先頭に立ち、そのまま突き抜けて快勝。通算4勝目を重賞2勝目で飾ったウインバリアシオンは、本来持っていた実力を示した。続く天皇賞(春)では、3番人気に支持され悲願のG1制覇に挑むも、フェノーメノにクビ差届かずの2着。それでも本賞金は5000万円以上を獲得し、気がつけば総獲得賞金は5億円を上回っていた。
重賞2勝、G1成績2着4回をもって青森県で種牡馬入りしたウインバリアシオンは、なかなか良駒を輩出できず苦戦している。そんな中、21年に誕生したハヤテノフクノスケが、24年のG3京成杯で4着に入るなど、“青森産馬の星”として再び注目を集めている。
【了】
(文●TOM)
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