地方「生え抜き」馬獲得賞金ランキング 【6位】地方競馬史に残る名勝負を演じた『大井の帝王』の相棒
地方競馬から中央に移籍し、活躍したオグリキャップやイナリワンのような名馬は多い。しかし、地方でデビューし、一貫して地方競馬で走り続けた「生え抜き」の名馬たちも数々の輝かしい実績を残している。本記事では、獲得賞金ランキング上位10頭を厳選し、それぞれの軌跡を紹介する。今回は第6位。
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6位 コンサートボーイ(5億195万円)
性別:牡馬
所属:堂山芳則(北海道)→ 鈴木敏一(川崎)→ 栗田繁(大井)
戦績:35戦9勝 [9-8-8-10]
主な勝ち鞍:帝王賞(JpnI)
『大井の帝王』的場文男騎手とともに活躍した馬といえば?――そう尋ねられれば、多くの南関東競馬ファンが迷わず『コンサートボーイ』と答えるだろう。
コンサートボーイは、北海道でデビューした後、川崎へ移籍。南関東三冠では全レースで2着となり、1983年のセレブレイション以来となる『準三冠馬』の称号を得た。これは珍記録ではあるが、同時にその安定した実力の証でもあった。年明け初戦の報知グランプリカップを皮切りに、3連勝で重賞制覇を果たし、早くも1億円ホースの仲間入りを果たした。その戦績からも、コンサートボーイが高い実力を誇っていたことがうかがえる。
その後も交流重賞で安定した成績を残し、ついに的場文男騎手とともに帝王賞に挑んだ。直線で中央のバトルラインを競り落とすと、最後は船橋のアブクマポーロの猛追をクビ差凌ぎ、勝利を掴んだ。この帝王賞は、レース史に残る名勝負として語り継がれる一戦となった。さらに、中央との交流重賞が始まって以降、地方馬が初めてワンツーフィニッシュを決めたG1級競走でもある。
帝王賞の勝利により、コンサートボーイの収穫賞金は当時の地方馬歴代トップとなる4億円台に到達した。アブクマポーロに抜かれるまで、地方競馬の歴代賞金王として君臨したコンサートボーイの雄姿は、赤・胴白星散らしの勝負服を纏う『大井の帝王』的場文男騎手と共に、いつまでも記憶に残り続けるだろう。
【了】
(文●小早川涼風)
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