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【東京大賞典 考察】力のいる馬場でパワーとスタミナを兼ね備えているのは、やはりあの馬か?

text by 中西友馬

日本競馬の締めくくりといえば大井競馬場で行われるG1東京大賞典だ。昨年の覇者ウシュバテソーロ、今年のJBCクラシックを制したウィルソンテソーロに加え、世界を股にかけて活躍しているフォーエバーヤングらが顔を揃える。ケンタッキーダービーとBCクラシックで3着のフォーエバーヤングが1番人気となることが予想されるが、競馬ファンはどうしても裏をかきたくなるもの。では、冬の大井で台頭する可能性のある馬は誰なのか?という話を軸に考察していく。

UshbaTesoro
昨年の東京大賞典を制したウシュバテソーロ

東京大賞典といえばリピーターの活躍しやすいレース

 今年の中央競馬における最後のG1はホープフルステークスだが、日本の競馬という括りで考えると、今年最後のG1は東京大賞典。ということで、ホープフルステークスの考察にも書いたが、東京大賞典に関しても個人的な考察を行うこととした。馬券の参考にしていただけたら幸いである。

 今年の東京大賞典の注目と言えば、なんといってもフォーエバーヤングだろう。海外重賞2勝を挙げ、ケンタッキーダービーとBCクラシックでともに3着という実績は、現時点でダート界の世界トップクラスにいることは紛れもない事実。さらには国内でも4戦4勝と無敗を誇り、今まで日本馬に負けたことがない実績を思えば、ここもアッサリ勝利して、来年再びの海外挑戦に弾みをつけたいところ。

 しかし、強いて不安材料を挙げるとすれば、国内で古馬と対戦するのが今回初めてだという点。たしかにBCクラシックで今回出走するウシュバテソーロとデルマソトガケに先着しているが、それはアメリカの馬場での話。こと東京大賞典に関しては、連覇中のウシュバテソーロに挑戦する立場であると言っても過言ではない。

 そもそも東京大賞典の特徴として最初に思い当たるのは、リピーターが活躍しやすいレースであるということ。ここ2年はウシュバテソーロが連覇を果たしているし、その前にはオメガパフュームが4連覇を達成している。

 また、同じ大井2000mで行われる夏の帝王賞と比較して、冬の東京大賞典は時計がかかることも大きな特徴である。過去10年のうち良馬場で行われたレースでの勝ち時計の平均を比較すると、帝王賞が2分03秒0なのに対して、東京大賞典は2分05秒2と、2秒以上遅いのである。このことから、冬の大井は力のいる馬場となるケースが多く、パワーとスタミナを持ち合わせている馬が活躍する傾向にあるということが分かる。

 その点フォーエバーヤングは、本場アメリカのダート馬にもスピード負けしない点が魅力の馬。秋に世代限定のジャパンダートクラシックを勝利しているとはいえ、冬の大井2000mがベストな可能性はかなり低い。もちろん能力の違いでアッサリ突破してしまう可能性も十分あるが、断然人気になることを想定すると、人気と信頼度のバランスは取れていないと考えている。

 では、どの馬を狙っていくか。まずはもちろん連覇中のウシュバテソーロ。この馬は、ダートで挙げた8勝のうち7勝が2000m以上。前走のBCクラシックでは2分00秒台の決着で10着に敗れたが、昨年の東京大賞典は2分07秒台の勝ち時計で勝利。年齢を重ねて、より一層パワーとスタミナ寄りにシフトしている印象だ。今年はまだ勝利こそないが、得意の舞台で3連覇の可能性は十分あるだろう。

 同じくリピーターという観点から外せないのが、昨年2着のウィルソンテソーロ。今年はJBCクラシックでG1級初制覇も果たし、昨年からの上昇度ではウシュバテソーロを凌ぐものがある。2100mの白山大賞典を制した経験もあり、スタミナ面にも不安はない。

 もう1頭、多少穴っぽいところで期待したいのがグランブリッジ。牝馬限定戦も含んでいるとはいえ、2100m戦で5戦5連対。今年の川崎記念では、牡馬相手にアタマ差の2着と好走しており、スタミナ面では牡馬にも引けをとらない。2分05秒を切る決着では厳しいかもしれないが、昨年のように時計がかかる馬場なら浮上の余地がある。

 以上の考察を印で表すと、
◎ウシュバテソーロ
◯ウィルソンテソーロ
▲フォーエバーヤング
穴グランブリッジ

 といった形となる。ぜひ予想の参考にしていただきたい。

【了】

(文●中西友馬

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