【ホープフルS 考察】若駒たちの大一番を紐解くヒントは？「2戦2勝馬の好走傾向」からあぶり出す

2024/12/26

text by 中西友馬

今週は2歳中距離王を決めるホープフルステークスが開催される。東スポ杯2歳S覇者のクロワデュノールや札幌2歳S覇者のマジックサンズの重賞馬に加え、アイビーSで強い勝ち方をしたマスカレードボールなど、来年のクラシックを占う一戦にふさわしい好メンバーが揃っている。今回は、予想の難しい若駒たちの戦いを紐解き、レースの見どころを考察していく。

G1に昇格して以降、1戦1勝馬の勝利はない

　先週の有馬記念は、単勝5番人気のレガレイラが勝利。1960年のスターロツチ以来64年ぶりとなる、3歳牝馬による有馬記念制覇となった。レース前にあまり注目されていた印象はなかったが、64年ぶりと言うと、ウオッカが牝馬によるダービー制覇を達成したのと同じ間隔。そう聞くと、レガレイラは本当に偉大な記録を打ち立てたのだと改めて実感した。

　ちなみに、このコーナーの結果としては惨敗も惨敗。1着のレガレイラ、2着のシャフリヤールともに今年未勝利だった馬であり、3着のダノンデサイルは今まで3着以内に入ったことのなかった同年ダービー馬。推奨馬として挙げた馬の中で最先着が4着のベラジオオペラでは、手も足も出なかった。オカルトデータがレガレイラを推奨して的中しているので、こちらの考察も負けていられない。

　ということで今週は、中央競馬今年最後のG1となるホープフルステークス。最後ビシッと読者の方々に貢献して、気持ち良く2025年を迎えたいところ。ちなみに別記事では、ホープフルステークスの翌日に行われる東京大賞典の考察も行っているので、そちらもぜひ併せて読んでいただきたい。

　さて、今年のホープフルステークスには、3頭の2戦2勝馬が出走予定。この馬たちが人気の中心にもなってきそうだ。なので今回の考察は、この2戦2勝馬3頭の取捨選択について行ってみたい。

　ホープフルステークスがG1に昇格した2017年以降の7年間で、無敗でこのレースを制した馬は3頭。2018年のサートゥルナーリア、2019年のコントレイル、2020年のダノンザキッドである。いずれも2戦2勝でホープフルステークスに挑んだ馬で、G1に昇格して以降、1戦1勝馬の勝利はない。ちなみに、同じくG1昇格以降、3勝以上を挙げていた無敗馬に関しては、ホープフルステークス参戦自体がなかった。

　では、この7年間の2戦2勝馬の成績はどうだったかというと、22頭が出走して【3.5.2.12】という結果となっている。先ほど挙げた3頭が勝利しており、2着馬は7年中5年が2戦2勝馬。2019年と2020年においては、1〜3着を2戦2勝馬が占めており、今年もこの馬たちが中心にはなっていきそう。

　では、この3頭の中でどのように序列をつけていけば良いのだろうか。まずパッと見て分かりやすいのは、重賞勝ちがあるかないか。クロワデュノールとマジックサンズは重賞馬で、マスカレードボールは重賞勝ちはない。
そこで、先ほどの22頭を重賞馬と非重賞馬に分けたものが以下である。
重賞馬【2.2.0.2】
非重賞馬【1.3.2.10】

　重賞馬が連対率67%なのに対して、非重賞馬の連対率は25%。やはり2歳馬であっても、重賞を勝っている馬は信頼度が高まることが分かる。これにより、マスカレードボールは一歩後退となった。

　次に、クロワデュノールとマジックサンズの比較であるが、クロワデュノールは2戦ともに左回り、マジックサンズは2戦ともに右回りという違いがある。ちなみに、マスカレードボールはクロワデュノールと同じく2戦ともに左回りである。

　これに関しても、最初の22頭を場合分けした結果が以下である。
右回りのみ【1.2.1.4】
左回りのみ【0.0.1.2】
左右経験あり【2.3.0.6】

　右回りのみ経験、左回りのみ経験、左右経験ありの3パターンに分けられるが、最も連対率が高いのは左右経験ありの馬で、45%となった。次に右回りのみの連対率38%が続き、左回りのみで連勝してきた馬は、出走頭数こそ少ないが、過去7年での連対はなかった。

　やはりホープフルステークス自体が右回りの中山競馬場で行われることもあり、右回りの経験は大きなアドバンテージとなるようだ。これにより、左回りのみで連勝のクロワデュノールとマスカレードボールは一歩後退となった。
以上のデータから、このコーナーにおける2戦2勝馬3頭の序列は、【マジックサンズ>クロワデュノール>マスカレードボール】となった。ぜひ予想の参考にしていただきたい。

【了】

（文●中西友馬）

G1に昇格して以降、1戦1勝馬の勝利はない

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