【有馬記念 考察】年末のグランプリを制するには「年内のG1もしくはG2を勝利」は必須か?
今週はいよいよ年末の風物詩である有馬記念が開催される。年の瀬の大一番には秋古馬三冠がかかるドウデュースを筆頭に豪華メンバーが集結している。さきほど枠順も決定し、ファンもここから本格的な予想に入っていくことであろう。そこで今回は有馬記念の好走条件である「同年でG1もしくはG2を勝利している馬」をチェックしていく。
菊花賞馬と宝塚記念馬は出てくれば高い確率で好走
先週の朝日杯FSは、単勝5番人気のアドマイヤズームが勝利。1枠と2枠の馬が上位4頭を占める、内枠祭りの決着となった。
ちなみに、このコーナーで推奨した3頭+次点の1頭の結果は、
ダイシンラー(12番人気4着)
ニタモノドウシ(6番人気9着)
エイシンワンド(11番人気14着)
次点
ミュージアムマイル(2番人気2着)
となった。
次点のミュージアムマイルは2着となったが、あとの3頭は馬券外。レース自体はかなりのスローペースで、レース上がりは33秒7。ラスト2Fも10.9-11.0とほぼ失速のないラップになったのは想定通りであったが、そのぶん位置どりがかなり大きなウエイトを占める結果。
ニタモノドウシとエイシンワンドはポジションが悪くなってしまい、難しいレースとなってしまった。逆にダイシンラーが逃げの手に出たのは驚き。単勝150倍の人気薄だったが、急遽乗り替わりとなった横山典騎手が、現状の100%の力を発揮させた結果の4着であったと考えられる。
さて今週は、年末の風物詩である有馬記念が行われる。有馬記念だけは毎年馬券を買うという、ライトなファンも多くいることであろう。
特に今年は、史上3頭目となる秋古馬三冠に王手をかけているドウデュースが出走予定。これがラストランであることも発表されており、当日の中山競馬場の指定席倍率は、有馬記念の馬券を当てるより難しいのではないかという数字が軒並み並んでいた。
そんな、一年で一番注目を集めるレースと言っても過言ではない有馬記念。終わり良ければ全て良しということで、早速考察に入っていきたい。
まず最初に、過去10年の有馬記念で1〜3着となった30頭を調べてみると、同年でG1もしくはG2を勝利している馬が24頭。今年も、まずはこの条件をクリアしている馬たちの戦いが中心となってきそうだ。今年の有馬記念登録馬で、今年のG1もしくはG2を勝利している馬は10頭。その10頭が勝利したレースの過去10年の勝ち馬が、同年の有馬記念でどのような結果を残しているのかを調べてみた。その結果がこちらである(50音順)。
アーバンシック(菊花賞)(セントライト記念)
【1.0.2.1】【0.0.1.2】
シュトルーヴェ(日経賞)(目黒記念)
【0.0.2.4】【0.0.0.4】
スタニングローズ(エリザベス女王杯)
【0.0.1.4】
ダノンデサイル(東京優駿)
【0.0.0.2】
ドウデュース(天皇賞秋)(ジャパンC)
【3.1.0.2】【0.1.1.3】
ハヤヤッコ(AR共和国杯)
【1.0.0.5】
プログノーシス(金鯱賞)
【0.0.0.3】
ブローザホーン(宝塚記念)(日経新春杯)
【2.0.2.5】【0.0.0.4】
ベラジオオペラ(大阪杯)
【1.0.0.3】
メイショウタバル(神戸新聞杯)
【1.1.0.4】
最も好成績なのは、天皇賞(秋)の勝ち馬だ。過去10年で6頭が有馬記念に出走し、うち3勝2着1回の結果を残している。やはり1番人気濃厚のドウデュースが最有力にも思われるが、気になるのはジャパンC勝ち馬の成績。10年間で5頭が出走して、勝ち馬はゼロ。記憶に新しいところだと、2年前のヴェラアズールが10着、5年前のスワーヴリチャードが12着に大敗。中3週のローテーションで、2戦連続のハイパフォーマンスを発揮する難しさを表している。
次に目立つのが、菊花賞と宝塚記念。菊花賞馬は出走数こそ少ないが、出てくれば高い確率で好走している。ちなみに今年のアーバンシックは、セントライト記念と菊花賞を連勝。これは2015年3着のキタサンブラックと同じローテーションとなっている。
判断が難しいのが、宝塚記念勝ち馬のブローザホーン。宝塚記念覇者は過去10年で9頭が有馬記念に出走しており、2勝3着2回はなかなかの好成績と言える。やはりともにグランプリと呼ばれるだけあって、相関性は高そうだ。ただ、日経新春杯勝ち馬は4頭が出走して3着以内ゼロ。データ的には厳しい戦いになりそうだ。
G2は、やはりG1と比べると苦戦傾向にあるが、その中で健闘が目立つのが神戸新聞杯。そもそもの出走数が少ないダービー(東京優駿)と比較するのはナンセンスかもしれないが、3着以内ゼロのダービーに対して、勝ち馬と2着馬を輩出している結果は見逃せない。その点でメイショウタバルは面白い存在だったのだが、残念ながら10頭のうち唯一の除外対象となってしまった。
逆に、3着以内を1頭も輩出できていないレースは4レース。特に前出したダービーに関しては、そもそも過去10年で2頭しか出走していないが、ともに掲示板にも載れない惨敗。昨年のタスティエーラも6着に敗れており、今年のダービー馬ダノンデサイルにとっては逆風が吹いている。
ここまでをまとめた結論としては、まずは今年のG1もしくはG2を勝利していない馬はデータ上消し。勝利している馬の中でも、3着以内を1頭も輩出できていないレースの勝ち馬はデータ上消し、となる。この条件で今年の出走予定馬から絞っていくと、残ったのは、アーバンシック、スタニングローズ、ドウデュース、ハヤヤッコ、ベラジオオペラの5頭。この5頭をボックスで買うも良し、この中から軸(本命)を決めるも良し。
個人的には、東京より中山のほうが合うのは間違いなさそうなベラジオオペラに期待。天皇賞(秋)は上がりが速すぎたが、同じように好位のインに収まることができれば、ビクトリーロードが開くとみている。
【了】
(文●中西友馬)
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