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上位に食い込む可能性のある穴馬は? 過去10年のデータから導き出す【ジャパンC 考察】

text by 中西友馬

国内外の実力馬が顔を揃えることになった今年のジャパンカップ。ドウデュースやチェルヴィニアといった国内の有力馬が注目されるが、こんなレースでこそ穴馬を導き出したいのが競馬ファンの性であろう。今回は、この豪華メンバーでの中でも激走の可能性がある馬をデータから探し出す。

Blow the Horn

芝2400mへの適性から穴馬候補を導き出す

 先週のマイルCSは、単勝4番人気のソウルラッシュが2馬身半差の快勝。鞍上の団野騎手が見せた大きなガッツポーズも話題になった。

 このコーナーでは、独断で選んだ有力馬5頭の順位づけを行ったが、ソウルラッシュは5頭のうち第3位。評価的には△としていたので胸は張れないが、それ以上に問題だったのは、2着のエルトンバローズと3着のウインマーベルにまったく触れていなかったことだろう。さらに、推奨したナミュールとジュンブロッサムがともに2桁着順で終わったこと。さらには、消しと判断したチャリンが、あわやという脚で突っ込んできたこと。どの角度から見ても、完敗と言える結果だった。

 ということで、今週こそはの気持ちで迎えるジャパンカップウィーク。骨っぽい外国馬も3頭出走予定で、例年以上に盛り上がっている印象である。ちなみに、外国馬の紹介や個人的な取捨については、外国馬診断の記事で触れているので、ぜひそちらも併せてチェックしていただきたい。

 そして今週の考察のテーマは、ジャパンカップ過去10年のデータ(オカルトではない)から導き出す、激走の可能性を秘めた穴馬だ。

 天皇賞(秋)を制したドウデュースや、秋華賞を制したチェルヴィニアが人気の中心となることが予想される、今年のジャパンカップ。このコーナーでは、今まで人気馬を中心に取捨を行ってきたことにより、人気馬を斬るコーナーと化していた。

 ただ、馬券圏内と呼ばれるのは3着以内。もしこの2頭が馬券圏内に入ったとしても、少なくとも残り1枠は存在する。そこで今回は、上位人気が予想される2頭以外で激走の可能性を秘めた馬を探す。

 ちなみに、外国馬に関しては外国馬診断で取捨について書いたため、このコーナーでは日本馬11頭から前出の2頭を除いた9頭の中から推奨馬を探す。

 まず最初に目をつけたのは、ジャパンカップが行われる芝2400mへの適性について。過去10年の勝ち馬のうち、2015年のショウナンパンドラ以外の9頭は、芝2400mの重賞で連対実績があった。今年のメンバーの中で該当するのは、スターズオンアース、ソールオリエンス、ブローザホーンの3頭のみ。早くも候補が一気に絞られた。

 次に、過去10年のジャパンカップ勝ち馬の前走について。やはり天皇賞(秋)組が一番多く、10年中6頭が該当。次に多いのが京都大賞典組で3頭。そして秋華賞組が1頭となっている。

 さらに調べていくと、ジャパンカップが秋(9月以降)2戦目であった馬が10頭中9頭となっており、例外はこちらもショウナンパンドラのみであった。残った3頭のうち、ドバイ以来となるスターズオンアースはここで脱落となる。

 ラストは、ジャパンカップのペースについて考えたい。良馬場で行われた過去10回のうち、前半1000mの通過が60秒より速かった年が5回、60秒より遅かった年が5回と半々になっている。実はここに先ほどのステップレースとの相関関係が見られ、京都大賞典組が勝利した年は全て、前半1000mが60秒より遅いスローペースの年であった。

 今年のジャパンカップは、逃げ馬不在のメンバー構成。これは推測となるが、スローペース濃厚なのではないかと予想される。となれば、前走は前半1000m通過58秒7の流れに乗り切れなかった、京都大賞典組ブローザホーンの巻き返し。左回りも東京コースも新馬戦以来となるが、これまでのイメージだけで不向きと判断するのは早計だろう。

 美浦所属時代に日経新春杯を勝利しているように、輸送にはまったく不安がない。前走の大敗で一気に人気を落とした、春のグランプリホースの反撃に期待する。

【了】

(文●中西友馬)

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