秋のマイル王決定戦マイルチャンピオンシップは、連覇を狙うナミュール、注目馬ブレイディヴェーグやジュンブロッサム、さらには13年ぶりに参戦する外国馬チャリンなど豪華な顔ぶれが揃う。今回は上位人気5頭のデータを分析し、勝ち馬候補を予測した。

上位人気馬の特徴から勝ち馬を予想

　先週行われたエリザベス女王杯は、単勝3番人気のスタニングローズが勝利。3歳時の秋華賞以来、勝利から2年以上遠ざかっていたが、G1馬の意地を見せた見事な勝利であった。

　そして、このコーナーで消しと判断したレガレイラは、単勝1倍台の1番人気ながら5着に沈んだ。

　人気馬を消す考察としては今回も成功だったが、やはり読者の皆さんが知りたいのは「じゃあどの馬を買えばいいの？」という部分であろう。今回はその点も踏まえて、人気馬に噛みつくだけではなく推奨できる馬も探していきたい。

　ということで今週は、秋のマイル王決定戦であるマイルチャンピオンシップが行われる。マイル路線常連の馬に加えて、重賞初制覇を果たしたばかりの新興勢力や中距離路線からの刺客、さらには久々となる外国馬の参戦もあって予想は困難を極めそう。

　そこで今回は、上位人気が予想される5頭を独断で選び、その馬たちの特徴を過去のデータからランキング順に並べてみた。

　もちろんこの5頭だけでレースをするわけではないのだが、この5頭の順位づけさえ当たっていれば、人気馬1頭を消すだけよりも馬券への貢献度は増すのではないかと考えている。ちなみに中途半端だが、データは過去21年分のものを集計した。

　それでは、第5位から順に発表していく。

【第5位】
チャリン(外国馬)
【0-0-2-9】　勝率0%　複勝率18%
第5位となってしまったのは、13年ぶりの外国馬参戦となる、英国馬チャリン。
検索条件は「外国馬」で、過去11頭が出走してサプレザの③着2回が最高成績。その他の出走馬にも実績から人気に推された馬はいたが、全て着外となってしまっている。
欧州トップマイラーとの呼び声高いチャリンの戦績にはもちろん敬意を表するが、馬券的には強調しにくい。

【第4位】
ブレイディヴェーグ(千八以上の重賞勝ち経験のある牝馬)
【1-3-1-14】　勝率5%　複勝率26%
続いて第4位となったのは、1番人気の可能性も考えられるブレイディヴェーグ。
検索条件は「千八以上の重賞勝ち経験のある牝馬」となっており、このパターンに当てはまる好走馬は、近年だとソダシの3着ぐらい。
ブルーメンブラットやファインモーション、ダンスインザムードなどの好走馬も存在するが、いずれも15年以上前のもの。出走19頭中半数以上の10頭が2桁着順では推奨しにくい。

【第3位】
ソウルラッシュ(同年マイラーズC勝ち馬)
【1-2-0-12】　勝率7%　複勝率20%
これまであとわずかのところでタイトルに届かず、悲願のG1制覇を目指すソウルラッシュが第3位。
検索条件は「同年マイラーズC勝ち馬」となったが、唯一の勝利はダイワメジャーで18年前のもの。
近年だとダノンプレミアムとインディチャンプが2年連続で2着となっており、再びあと一歩で涙を飲む可能性も。

【第2位】
ジュンブロッサム(同年富士S勝ち馬)
【3-2-1-10】　勝率19%　複勝率38%
第2位となったのは、前走で重賞初制覇を果たしたジュンブロッサム。検索条件は「同年富士S勝ち馬」となっている。
特筆すべきは、セリフォス、ナミュールとここ2年の富士S勝ち馬が、そのままマイルチャンピオンシップを勝利している点。さらに前哨戦の富士S勝ち馬であるにも関わらず、セリフォス6番人気、ナミュール5番人気と伏兵評価にされていた点も見逃せない。
2度あることは3度ある、ジュンブロッサムも軽視すると痛い目に合う可能性も。

【第1位】
ナミュール(前年覇者)
【3-2-0-8】　勝率23%　複勝率38%
第1位に輝いたのは、安田記念以来のぶっつけとなるナミュール。検索条件は「前年覇者」となった。
連覇を達成したのは、デュランダル、ダイワメジャー、グランアレグリアの3頭。2着もペルシアンナイトとインディチャンプがおり、年代的にもバランスの良い活躍が目立つ。
春の安田記念と比較して連覇達成が多いレースで、出走してくれば信頼度は高い。

　外国馬の出走が2003〜2011年に集中しているため、過去21年という中途半端なデータ使用となったが、以上のようなランキングとなった。

　最後に、この順位を分かりやすく印に表すと、以下のようになる。
ナミュール　◎
ジュンブロッサム　○
ソウルラッシュ　△
ブレイディヴェーグ　△
チャリン　×

　
　最初に書いたように、もちろん出走馬はこの5頭のみではないが、このコーナーではナミュールとジュンブロッサムを推奨したい。

（文●中西友馬）

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