
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが人気馬2頭のうち、真に「買うべき馬」はどちらかを見極める「東大流・GⅠ二者択一」。
今回はホープフルS(GⅠ・中山芝2000m)が対象。アイビーSの勝ち馬アンドゥーリルと札幌2歳S勝ち馬ショウナンガルフの対決に焦点を絞って、「能力評価」と「レース条件評価」の両面から徹底検討する。[2/3ページ]
【レース条件評価】
アンドゥーリルはアイビーSの際、折り合いがつくまで少し長めに時間を要したのが気になるポイント。それだけスピードがあることの証左ともいえるが、1ハロンの距離延長、2000mは正直ギリギリの印象がある。高い能力でどこまでカバーできるかの一戦だ。
コース設定に関してはショウナンガルフの方が不安なく出走できる。ホープフルSは消耗戦になりやすいレースで、GⅠ昇格後の8年で4回、レース上がり36.0秒以上を要した。札幌のロングスパート戦を経験し、そして勝っている点はアドバンテージと言える。
ただし、これまでの2戦は北海道の滞在競馬。初めて関東圏に輸送して競馬に臨むことで、精神面に悪影響が出る可能性はある。
2代母ミスエーニョの牝系からはミスエルテやショウナンザナドゥなどの活躍馬が出ているが、遠征での好走例が少ない。この牝系の栗東所属馬が関東圏に出走した際の成績は【1-0-1-8】で、美浦所属馬の関西圏出走時は【0-0-0-4】。合算で【1-0-1-12】複勝率14.3%、複回収率20%と低迷している。
アンドゥーリルは距離、ショウナンガルフは初の遠征競馬にそれぞれ不安を抱えており、レース条件評価はドローとする。



