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【GⅠトレンドハンター有馬記念】中山2500はカメレオンのように変化?絶対に押さえておきたいポイントとは…

text by 勝木淳
2022年有馬記念を制した時のイクイノックス
2022年有馬記念を制した時のイクイノックス

重賞レースのデータ分析では過去10年が一般的だが、競馬のサイクルは短く、10年前の結果は現在と大きく異なることも多い。近年はローテーションも変化し、GⅠ戦線のトレンドが進化している。今回は2025年の総決算・有馬記念の傾向を、GⅠトレンドハンターである勝木淳氏が考察する。[1/2ページ]

中山2500m戦はカメレオンのように変化する?

 2025年の中央競馬もいよいよ有馬記念を迎える。年に一度、このレースだけは馬券を買う。そんな方がいるのが有馬記念だ。普段から競馬を愛する人もそこまで熱心ではない人も、みんな馬券を的中させて新年を迎えたい。年の終わり、ささやかなお楽しみ。トレンドハンターもそんな願いを成就させるお手伝いができれば幸いだ。直近の傾向から今年の有馬記念をひも解いていく。

 まず、有馬記念はどんなレースなのか。基本にしっかり立ち返ってみたい。舞台は中山競馬場の芝2500m。外回り3コーナー入り口からスタートし、正面スタンド前を通過、内回りを一周するコースだ。ポイントは最初の3、4コーナーでのポジション争い。できれば内側に入り、最初のコーナーは外を回らないようにしたい。

 また、正面スタンド前も有馬記念ではカギを握る。大観衆の声援と圧を一身に浴びるスタンド前は歴戦の猛者とて、力みが入ってしまう。この正面スタンド前でいかに静の姿勢を貫けるか。これが最後の伸びに響く。ここはじっと息を潜めるように通過したいところだ。

 中山芝2500mの最大の特徴はちょっとしたことでペースが変化しやすい点にある。前半でエキサイトする馬が現れ、ペースが速くなるようなら、後半は必ずスタミナが問われる。逆に前半、全体的に静かな立ち上がりになると、中距離型が台頭する。このコースは適性がカメレオンのように変化する。つまり、レース展開を読むことが好走馬を導く近道でもある。

開催年 前半500m/全ラップ 後半600m 決着時計 1着馬(通過順)
上がり
2020年
(良)16頭
30.8
6.8-11.9-12.2-12.5-12.5-12.8-12.9-12.8-11.8-12.3-12.1-11.9-12.6
36.6 2.35.0 クロノジェネシス(12-12-3-3)
上がり 36.2
2021年
(良)16頭
29.8
6.9-11.3-11.6-11.5-11.9-12.5-12.6-12.2-12.4-12.4-12.2-12.0-12.5
36.7 2.32.0 エフフォーリア(9-9-8-5)
上がり 35.9
2022年
(良)16頭
30.0
7.0-11.3-11.7-12.1-12.5-13.1-12.7-12.4-11.8-11.9-12.2-11.4-12.3
35.9 2.32.4 イクイノックス(8-9-6-3)
上がり 35.4
2023年
(良)16頭
30.2
7.0-11.3-11.9-12.0-12.0-12.2-12.5-11.9-12.0-12.0-12.0-11.7-12.2
35.9 2.30.9 ドウデュース(13-13-8-3)
上がり 34.3
2024年
(良)16頭
31.4
6.8-11.7-12.9-12.4-12.4-13.3-12.4-12.0-11.3-11.4-11.6-11.5-12.1
35.2 2.31.8 レガレイラ(6-5-5-3)
上がり 34.9

 直近5年のデータもそんな傾向を示す。前半が速かった21年はスタミナ型の台頭があり、ここ3年はどちらかというとスローに近い流れになり、2400mに強いような中距離タイプが上位を占めた。どちらにせよ、最後は残り1000m付近からのロングスパート戦になるので、持続力は必須。ロングスパートに対応できないと上位進出は難しい。

 今年はメイショウタバルとミステリーウェイが登録しており、逃げ争いに注目が集まる。天皇賞(秋)で超スローペースに落としたメイショウタバルの伏線はどういった形で回収されるのか。ミステリーウェイが捨て身の大逃げを打つパターンも考えられ、どちらにせよ、ここ3年のようなスローはなく、中距離型よりスタミナタイプに適性が動くのではないか。

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