今週末の12月6日(土)に開催される鳴尾記念。今年で78回目を迎える伝統ある一戦だ。今回は出走予定の有力馬の「前走内容」に焦点を当て、元トラックマンが各馬の走りを丁寧に検証していく。前走で優れたパフォーマンスを披露し、今回へとつながる勢いを見せたのは、一体どの馬だろうか。[2/3ページ]
有力馬の前走評価②

■グランヴィノス
開催日:2025年9月13日
レース:阪神・チャレンジカップ(芝2000m)
着順:2着
評価:10
2頭が競り合う形でハイペースを演出する中、離れた好位を追走。残り200mで先頭へと立ったが、オールナットに内をすくわれる形での2着となった。
敗れはしたが、この馬にとって大きな収穫なのは、自身の上がり3Fが34秒9かかる展開で好走したこと。これま自身の上がりが33秒台のレースでしか好走しておらず、34秒0以上かかった2戦はともに着外となっていた。
ハイペースによって苦手な消耗戦となった中、好位追走から連対を果たしたのは、着順以上に大きく評価でき、オールナットと互角以上という判断。
■センツブラッド
開催日:2025年10月25日
レース:京都・カシオペアステークス(芝1800m)
着順:7着
評価:5
中団追走から直線は外へと持ち出すも、ほかの馬たちに伸び負ける形での7着。この馬は速い上がりの決着が苦手なタイプで、前走で使った上がり34秒4はこれまでの自身最速。現状では限界に近い上がりを使っての、7着敗戦であった。
好走するには、もう少し上がりのかかる決着となるか、逃げ馬の直後につけるぐらいの積極的なレースが必要。
開幕週の馬場というのは、この馬にとってはあまり良い条件ではないような気がしてしまう。
■マテンロウレオ
開催日:2025年6月1日
レース:東京・目黒記念(芝2500m)
着順:7着
評価:8
序盤は中団のインコースにいたものの、スローペースだったこともあって各馬早めに上がっていく展開の中で、直線に向くころには後方馬群の中。そこから外へと持ち出して一瞬脚は使ったが、最後は同じ脚いろになってしまっての7着。
58.5キロのハンデを背負っていたこともあるが、最後に脚いろが鈍った点からも、本質的には中距離がベストの印象。
一瞬は上位争いに絡みそうな伸びは見せていたし、3着馬からは0秒2差。一気の距離短縮でもポジションが悪くなりすぎなければ、57キロで見直したい。



