東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが人気馬2頭のうち、真に「買うべき馬」はどちらかを見極める「東大流・GⅠ二者択一」。
今回はジャパンC(GⅠ・東京芝2400m)が対象。天皇賞(秋)から連勝を狙うマスカレードボールと今年の日本ダービー馬クロワデュノールの対決に焦点を絞って、「能力評価」と「レース条件評価」の両面から徹底検討する。[2/3ページ]
【レース条件評価】

マスカレードボールは右回りに不安を抱えており、左回りで広い東京コースがベスト。また天皇賞(秋)では序盤あれだけのスローペースにもかかわらず促しながらの追走だったので、距離はもう少しあった方がよく見えた。東京芝2400mは絶好の条件だ。
ただし気性面に課題があるようで、デビュー以来最短となる中3週がメンタル的にどう出るか。ここが唯一の不安材料となる。
クロワデュノールは東京コースで3戦3勝。同距離の日本ダービーを勝っているわけで、当然こちらも舞台設定に問題はない。
しかし臨戦過程という意味ではマスカレードボール以上に不安が大きい。この秋は既に海外遠征、それも欧州の道悪で2戦を消化済み。この中間も態勢次第で有馬記念へのスライドを視野に入れていて、当週まで出否が流動的な状況だった。
最終追切でC.デムーロ騎手が騎乗した意図について、斉藤崇史師は「(北村友一騎手や所属の団野大成騎手だと)ダービーのよかった時をどうしても追いかけてしまう」と話しており、言外に「ダービー時の状態にはまだ及んでいない」という意を汲み取るべきだろう。
よってレース条件評価では、クロワデュノールに臨戦過程の不安がある分、マスカレードボール優勢とする。



