東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが人気馬2頭のうち、真に「買うべき馬」はどちらかを見極める「東大流・GⅠ二者択一」。
今回はマイルCS（GⅠ・京都芝1600m）が対象。安田記念との春秋制覇を狙うジャンタルマンタルと連覇がかかるソウルラッシュの対決に焦点を絞って、「能力評価」と「レース条件評価」の両面から徹底検討する。[2/3ページ]

【レース条件評価】

　ジャンタルマンタルは国内で複勝率100%を継続中。京都外回りも新馬戦とデイリー杯2歳Sで完勝している。距離は言うまでもなくマイルがベストで、コースも対応済み、臨戦過程も休み明けをひとつ叩いて理想的。これといってケチのつけようがない。

　ソウルラッシュは京都が得意……というより東京が合わない。これだけの実力馬でありながら、東京マイルでは7戦して未勝利だ。

　国内マイル戦での「レース上がり別成績」を見ても34.4秒以下【0-3-4-3】に対し、同34.5秒以上で【7-0-0-0】と明暗くっきり分かれる。瞬発力勝負では分が悪く、道悪やハイペースなど、上がりがかかる条件でこそ真価を発揮する。

　京都替わりで近2走よりは条件が好転するものの、今回は逃げ馬不在でスローになりそうなのが痛い。雨予報も出ておらず、高速馬場で遅いペースからの後半勝負になると再度キレ負けのおそれがある。また、そういう展開だと単純に位置取りの面でもジャンタルマンタルに分がありそうだ。

　よってレース条件評価では、スローペース想定の分だけわずかにジャンタルマンタル優勢と判断した。とはいえ今回はソウルラッシュにも致命的なマイナスがあるわけではなく、この2頭の馬連やワイド1点勝負も視野入れておきたい。