今週、11月22日(土)に開催される福島記念は、今年で創設60年を迎える伝統の一戦である。今回は出走予定の有力馬の「前走内容」に焦点を当て、元トラックマンが各馬の走りを丁寧に検証していく。前走で優れたパフォーマンスを披露し、今回へとつながる勢いを見せたのは、一体どの馬だろうか。[2/3ページ]
有力馬の前走評価②

■エコロヴァルツ
開催日:2025年11月2日
レース:東京・天皇賞(秋)(芝2000m)
着順:11着
評価:6
ドスローの決め手比べで、レース上がりが32秒台という、色々な面で歴史に残るレースだった天皇賞(秋)。この馬は好位追走も最後は馬群に飲み込まれての11着。
勝ったマスカレードボールから0秒6しか離されていない面を見れば、G3のここでは上位と考えることもできるが、最下位のソールオリエンスと0秒1しか違わないと見ることもできる。
ただ、この馬自身が馬券圏内となった6戦は全てレース上がりが34秒5以上かかっていることを考えると前走は不向きな展開で、この舞台なら反撃可能と考えたい。
■クリスマスパレード
開催日:2025年8月3日
レース:札幌・クイーンステークス(芝1800m)
着順:9着
評価:5
ヴィクトリアマイルに続いて、というよりもさらに悪化していた印象の発馬難。後方からの競馬を余儀なくされ、レースに参加できないまま終わってしまったような9着。トップハンデがどうこうといえるような負け方ではなく、ここ2戦は自分の競馬ができていない。
もちろんゲート練習は念入りに行っているだろうし、多少速いペースで行っても粘りを発揮できる馬で、スタートが鍵になる。ただ前走レビューとしては、前走の見どころはなかった。
■ニシノティアモ
開催日:2025年10月19日
レース:東京・甲斐路ステークス(芝1800m)
着順:1着
評価:10
3勝クラスのレースではあったが、上位人気4頭の3歳馬がいずれも素質馬揃いで、注目の一戦だった甲斐路S。それを中団追走から外を回って楽々と突き抜けたレース内容は圧巻。
牝馬でハンデ54キロも決して恵まれた斤量だったわけでもなく、連勝の勢いはダテではなかった。
東京コースで3勝を挙げながら、2走前は福島コースでも勝利を挙げており、舞台問わずに力を発揮できる点も強み。前走の内容は非の打ちどころがなく、据え置き54キロなら、重賞まで一気に突破しても不思議はない。



