【東大流・ポテンシャル分析 京王杯2歳S】もみじS2着ダイヤモンドノットが中心
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、2歳重賞の見どころをわかりやすく伝える本企画。今回は、11月8日(土)に行われる京王杯2歳ステークスを特集する。過去には、後のG1ホースを輩出してきた注目の一戦だ。今年はどのような有望馬が顔を揃えているのか。見どころを丁寧に解説していく。

11月8日(土)に東京競馬場で京王杯2歳Sが行われる。年によってレースレベルのばらつきが大きい重賞だが、昨年の優勝馬パンジャタワーは翌年のNHKマイルCを制し、3着ヤンキーバローズもファルコンSを勝った。今年もそういう存在が現れるか注目しよう。
抜けた1番人気になりそうなのがダイヤモンドノット。半兄にOP馬ゾンニッヒがいる血統だ。
デビューからの2戦はさほど目立たなかったが、2か月の休養と馬体重増がいい方に出たか、2走前の1400m戦を1:20.5の好タイムで制した。前走もみじSは2着。
ただ、前後半3F35.1-34.2のスローペースにもかかわらず勝ち馬の逃げから5馬身ほど離れていたわけで、届かなかったのは展開のアヤと片づけてよい。今回の相手関係なら順当に走ってくるだろう。
2番手以下は混戦だが、まずはルートサーティーンの名前を挙げる。新馬戦はスローの逃げで残せずの3着だが、2着ロードフィレール、4着リアライズブラーヴが既に勝ち上がるなどメンバーレベルはそこそこ高かった。
2走前もアンドゥーリル(→アイビーS1着)が強すぎただけ。前走が順当勝ちでラスト2Fを11.2-11.2でまとめている。クラスが上がっても通用する。
レッドスティンガーの前走は勝ち馬の上がり32.7秒という強烈な決め手に屈したが、この馬もこの馬で同33.2秒。スローペースの後方からよく伸びてはいた。
天皇賞(秋)デーの傾向を見ても、今の東京芝はとにかく速い上がりが出る。仮にスローで33秒台前半の上がりが問われても対応できると分かっているのは心強い。
ほか、同コースの未勝利戦を上がり最速で差し切ったシャオママル、ブリンカー着用でレース内容が良化してきたシーミハットク、2戦続けて内有利馬場の外目から差してきたフクチャンショウあたりも上位候補。
ただし総じて能力の突出した馬はおらず、波乱含みの一戦と言えそうだ。
【了】
(文●鈴木ユウヤ)
<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。
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