重賞レースのデータ分析では過去10年が一般的だが、競馬のサイクルは短く、10年前の結果は現在と大きく異なることも多い。近年はローテーションも変化し、GⅠ戦線のトレンドが進化している。今回は、秋の中距離王者決定戦・天皇賞(秋)の傾向を、GⅠトレンドハンターである勝木淳氏が考察する。[2/2ページ]

天皇賞・秋のトレンドから予想
| 開催年 | 序盤600m | 前後半1000m | ラスト600m | 決着時計 | 1着馬(通過順) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2020年 (良)12頭 |
36.5 | 60.5-57.3 | 33.6 | 1.57.8 落差 -3.2 |
アーモンドアイ (3-3-4) |
| 2021年 (良)16頭 |
36.2 | 60.5-57.4 | 33.6 | 1.57.9 落差 -3.1 |
エフフォーリア (6-6-6) |
| 2022年 (良)15頭 |
34.7 | 57.4-60.1 | 36.7 | 1.57.5 落差 +2.7 |
イクイノックス (10-10-9) |
| 2023年 (良)11頭 |
34.9 | 57.7-57.5 | 34.7 | 1.55.2 落差 -0.2 |
イクイノックス (3-3-3) |
| 2024年 (良)15頭 |
35.9 | 59.9-57.4 | 33.7 | 1.57.3 落差 -2.5 |
ドウデュース (14-14-13) |
パンサラッサが大逃げを打った22年やイクイノックスがとてつもないレコードを記録した23年は変則として、基本は後半が速いスロー寄りの流れ。
ただし、単純な上がり勝負ではなく、後半4ないし5ハロンに11秒台が並ぶ持続力+瞬発力勝負がトレンド。
そして、今年はメイショウタバルが出走し、もう少し前半は速くなる公算が高い。
宝塚記念では引きつけ気味の逃げから早めのペースアップで押し切っており、パンサラッサほど派手なラップにならないにせよ、遅い流れにはならない。
メイショウタバルが逃げるレースで好走した馬が狙い。流れをつくる馬と好走馬は適性が寄ってくるので、相関関係にある。
マスカレードボールはダービーもスローであり、経験値の差が出る可能性は残る。
メイショウタバルが出走したレースでの好走歴なら、ジャスティンパレスだ。早めにラップを上げ、粘り込みを狙うスタミナ勝負への対応という観点から、アーバンシックも浮上する。
菊花賞馬はその後3戦6、3、14着。宝塚記念凡走は引っかかるところだが、梅雨時特有の重い馬場が合わなかった。
メンバーレベルが高くない日経賞での差して届かないレース振りと菊花賞馬である事実を踏まえれば、ハイレベルな体力勝負での再浮上はある。
タイトな流れの天皇賞(秋)は少し長めの距離に適性をもつ馬たちが好走する。2000mがベストという中距離型はラスト200mが壁になるだろう。
本命候補 メイショウタバル マスカレードボール
好走候補 ジャスティンパレス、アーバンシック
【了】
(文●勝木淳)
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