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【GⅠトレンドハンター天皇賞(秋)】「タイトな流れになった時に浮上する馬がいる…」適性があるのは…?

text by 勝木淳

重賞レースのデータ分析では過去10年が一般的だが、競馬のサイクルは短く、10年前の結果は現在と大きく異なることも多い。近年はローテーションも変化し、GⅠ戦線のトレンドが進化している。今回は、秋の中距離王者決定戦・天皇賞(秋)の傾向を、GⅠトレンドハンターである勝木淳氏が考察する。[1/2ページ]

2025年宝塚記念を制したメイショウタバル
2025年宝塚記念を制したメイショウタバル

直近5年のトレンドから浮上する好走シナリオ

 秋の古馬中距離王決定戦は例年、非常にハイレベル。2000mをほぼ一定のスピードで流れに乗りながら、最後にさらにギアチェンジできなければ通用しない。

 これをひっくり返すなら、昨年のドウデュースのような究極に近い末脚でないと厳しい。いかに日本の中距離馬が速いかを証明するレースといっていい。

■3歳+前走ダービー2着馬【2-0-0-0】

 エフフォーリアとイクイノックスが勝利。どちらも東京芝1800m重賞を勝っており、かつ上がり33秒台以下の末脚を繰り出していた。

 マスカレードボールは共同通信杯を33.7で勝利しており、シナリオに一致する。

 イクイノックスは春二冠どちらも2着。マスカレードボールは春二冠で3、2着。

 合格といえば合格だが、2000mの皐月賞で着順を一つ落としている点をどう受け取るか。

■前走宝塚記念1着【1-0-1-0】

 過去はクロノジェネシスが3着、イクイノックスが連勝を決めた。

 メイショウタバルも評価は落とせないが、2頭はともにGⅠ複数勝利をあげており、宝塚記念がGⅠ初制覇だった点は評価がわかれる。

 トレンドとは離れるが、GⅠ初制覇を宝塚記念であげ、天皇賞(秋)に直行した例は2018年ミッキーロケット5着だけ。

 その前年2着サトノクラウンも宝塚記念以前に香港ヴァーズを勝っていた。

■前走海外【0-0-0-4】

 タスティエーラが当てはまる前走海外組は4頭とも着外。日本よりも遅いラップを刻む海外を経て、いきなり天皇賞(秋)挑戦は適性の差が大きすぎる印象。

 すべて休み明けでこの成績であり、スピード重視への対応は容易ではない。

 ただし、4頭はドバイターフ、ドバイシーマクラシック、プリンスオブウェールズSとすべて2000m以外。

 距離変化があった。前走2000mのクイーンエリザベス2世C・1着のタスティエーラは例外の可能性はあるが、額面通りなら評価しづらい。

■前走国内GⅠ3着以内【4-3-2-3】

 こう括ると、マスカレードボール、メイショウタバルは有力候補。

 そこに宝塚記念3着ジャスティンパレスが加わる。2年前にイクイノックスの2着に入った。

 昨年はスローに泣き4着だったので、レースの流れや展開次第ではある。とはいえ、宝塚記念も猛然と追い込み、3着と末脚は健在。

 要はタイトな流れで最後に体力勝負になった際、上位に顔を出してくる。どうも今年はそんな展開になりそうだ。

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