【東大流・GⅠ二者択一 秋華賞】カムニャックvsエンブロイダリー 買うべき馬はどっち?
text by 鈴木ユウヤ
◆真に「買うべき馬」はどっち?
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが人気馬2頭のうち、真に「買うべき馬」はどちらかを見極める「東大流・GⅠ二者択一」。
今回は秋華賞(GⅠ・京都芝2000m)が対象。オークス馬カムニャックと桜花賞馬エンブロイダリーの対決に焦点を絞って、「能力評価」と「レース条件評価」の両面から徹底検討する。
【能力評価】
カムニャックはデビューから6戦4勝。新馬戦からラスト2F10.9-10.9のラップを差し切る鮮烈な勝ち方を見せた。その後アルテミスSとエルフィンSは凡走に終わったが、当時は状態的にいまひとつだったようだし、1600mの距離も忙しかった。そこからの3連勝が示す通り、中距離ならこの世代トップの実力がある。
対するエンブロイダリーはクイーンCが圧巻のハイパフォーマンス。3歳3月以前のマイル戦で1:32.2という時計は史上最速だった。続く桜花賞では2歳女王アルマヴェローチェも破った。こちらはマイルの世代最強牝馬だ。オークスではカムニャックから1.0秒差の9着に敗れたが、敗因は明らかで距離が長かった。まだ勝負付けは済んでいない。
能力的にこの2頭は双璧。唯一の直接対決を制したのはカムニャックだが、そもそも距離適性がズレているので厳密な比較はしにくい、というのが率直な見立てとなる。