【GⅠトレンドハンター 秋華賞】近年の傾向から学ぶ!展開読みが難解な秋華賞…今年のカギを握るのは…?
重賞レースのデータ分析では過去10年が一般的だが、競馬のサイクルは短く、10年前の結果は現在と大きく異なることも多い。近年はローテーションも変化し、GⅠ戦線のトレンドが進化している。今回は、牝馬三冠の“最終戦”・秋華賞の傾向を、GⅠトレンドハンターである勝木淳氏が考察する。
秋華賞はペース読みが難解な一戦
あえて直近5年のレースラップとデータを織り交ぜ、トレンドを探り、レース攻略のヒントを探していく。5年前の秋華賞といえば、デアリングタクトが無敗の牝馬三冠馬に輝いた2020年。
競馬場はこの週からようやく観客の限定入場を開始し、当日の競馬場にはわずか数百人の観客がいた。私はこの週、東京の抽選を突破し、土日とも競馬場へ。久々に競馬場の空気を味わった。
たった数百人の競馬場。スタンドではほぼお客さんとすれ違わない、誰も声を発しないという異様な景色を今も鮮明に思い出す。
開催年 | 序盤600m | 前後半1000m | ラスト600m | 決着時計 | 1着馬(通過順) |
---|---|---|---|---|---|
2020年 (稍重)18頭 |
34.9 12.3-10.8-11.8 |
59.4-61.2 | 36.4 12.4-11.9-12.1 |
2.00.6 落差+1.8 |
デアリングタクト(13-13-8-5) |
2021年 (良)16頭 |
36.6 12.8-11.6-12.2 |
61.2-60.0 | 36.5 11.3-12.3-12.9 |
2.01.2 落差-1.2 |
アカイトリノムスメ(6-5-5-4) |
2022年 (良)16頭 |
35.7 12.2-11.2-12.3 |
59.7-58.9 | 34.8 11.5-11.5-11.8 |
1.58.6 落差-0.8 |
スタニングローズ(3-5-5-4) |
2023年 (稍重)18頭 |
36.4 12.2-11.1-13.1 |
61.9-59.2 | 34.0 11.0-11.0-11.4 |
2.01.1 落差-2.7 |
リバティアイランド(6-7-7-3) |
2024年 (良)15頭 |
34.5 12.3-10.7-11.5 |
57.1-60.0 | 36.7 12.2-12.7-11.8 |
1.57.1 落差+2.9 |
チェルヴィニア(8-8-8-7) |
その20年秋華賞は序盤の入りが速く、前半から活気ある流れになり、後半は底力勝負になった。デアリングタクトは3コーナーから進出開始、4コーナーでは前を射程圏に入れる正攻法の競馬を展開した。
一方でリバティアイランドが三冠を達成した23年は3ハロン目で早々に13秒台までラップが落ち、さらに4ハロン目も13.0と異例ともいえるスロー。残り800mまで我慢比べが続いた。
1000m通過は61.9で後半1000mは59.2。後半が2秒7も速い上がり勝負になった。リバティアイランドは4コーナー3番手まで押し上げ、好位勢の展開利を消していった。文句なしの競馬だった。
昨年は一転して前後半1000m57.1-60.0のハイペース。こちらは後半が2秒9も遅く、2ハロン目から残り600mまで11秒7以下。先行勢は息を入れられない持久力勝負だった。スロー、平均、ハイと京都での3回はすべて違う。