△候補馬
エルトンバローズ
去年の毎日王冠では、外枠から先行ポジションへ取り付き3着。斤量が58kgだったことを考えれば悪くはない。
一方、メンバーは去年よりもさらび強力であり、優勝ラインは80pt以上の面々になりそうなことを考えると、2着候補までの評価が妥当である。
ホウオウビスケッツ
去年は函館シリーズ連勝で、サマー2000シリーズ優勝に手がかかる獅子奮迅の活躍で、大きく躍進。秋を迎えても毎日王冠2着、天皇賞秋3着で勢いが衰えず躍動。
中山金杯のメンバーならば間違いなく能力最上位だったが、トップハンデ59.5kgを背負わされたことに加えて、前崩れの展開に泣き惨敗。
金鯱賞では、デシエルトが暴走気味の大逃げを打った結果、離れた2番手をポツンと追走し恵まれた上に、ペースもそれほど速くない展開にも恵まれた結果である。
能力的には、毎日王冠のメンバーに放り込めば通用する水準だが、明らかに格下相手でも中山金杯のような惨敗も経験しており、脆さがある一面も。惨敗と好走を繰り返しており、TB、展開の見極めがポイント。
ロングラン
マイラーズカップでジュンブロッサムを相手に快勝。ジュンブロッサムは、昨年の富士ステークスでソウルラッシュを沈めている馬であることを考えると、勝った結果だけでもまずは立派である。
一方、内容としてはジュンブロッサムよりも距離ロスを小さく抑えて早めに抜け出し、高速馬場。惰性で押し切れる展開に恵まれた。
さらには、斤量的にも1kg恵まれていたことを考えると、ゴール前で1/2馬身差まで迫られたことをむしろ悲観的に捉えるべきである。
したがって、マイラーズカップのロングランは、ジュンブロッサム『負けて強し』の内容を大きく下回る内容である。
これまでのレースを総合的に評価すると、ハンデ重賞レベルの馬であることを考えると、ロングランを高く評価する必要はなく、一線級相手だと荷が重い。
毎日王冠では、安田記念上位メンバーと同等クラス以上の馬が複数出走しており、苦戦を強いられる可能性が高い。
△候補ほか(シリウスコルト、シルトホルン、ジェイパームス)
【了】
プロフィール
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。
▼競馬の教科書シリーズ▼
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