△候補馬
エーティーマクフィ
前走の青函ステークスでは、格上のペアポルックスが単騎逃げを打ったのを外からまとめて差し切った内容は悪くはないが、1.5kgの斤量差があった。
また、ペアポルックスは、ママコチャにはオーシャンステークスで展開に恵まれながらも悠々と差し切られており、重賞級では物足りない。
したがって、ペアポルックスとほぼ同格と言えるエーティーマクフィについては、展開に恵まれても好走までと評価するのが妥当である。
カルロヴェローチェ
前々走の安達太良ステークスでは、オープンクラスで待望の初勝利を挙げたが、相手は典型的なオープン特別級で弱かった。
また、前走のアイビスSDではピューロマジック、テイエムスパーダ、ウイングレイテストら重賞クラスのスプリンター相手に歯が立たなかった。
したがって、キーンランドカップにおいても、重賞で何度も好走しているスプリンターが相手なので、恵まれても好走までと評価すべきである。
ナムラクララ
あのナムラクレアの半妹であり、注目されている1頭。ナムラクレアは、3歳クラシックの桜花賞で3着に善戦する等、早くから頭角を現し世代でもトップクラスの活躍を見せていたが、ナムラクララはそうではない。
チューリップ賞、桜花賞で世代トップクラスの壁に当たり、下級条件のスプリント戦を勝ってオープン入り(1つ勝つのでさえ大変なJRAで、オープン入りしただけでも立派ではあるが)。
さらに、前走は下級条件でゴール前接戦と、既に底を見せ始めていると言って良い。
下級条件から勝ち上がって重賞でも活躍するような馬のほとんどが下級条件では圧倒的な強さを見せるという観点(ジューンブレア、ヴェローチェエラ等)で、ナムラクララは少々物足りなく映る。
したがって、血統的に大きな期待を懸けられてはいるが、善戦までと評価するのが妥当である。
△候補ほか(カルプスペルシュ、ゾンニッヒ、フィオライア、ペアポルックス)
【了】
プロフィール
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。
▼競馬の教科書シリーズ▼
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